南京大虐殺犠牲者国家追悼日 アジアのアウシュビッツに世界が直視

 

中国の最高権力機関である全国人民代表大会の常務委員会は2月27日、9月3日を中国人民抗日戦争勝利記念日に、12月13日を南京大虐殺犠牲者国家追悼日にすることを決定した。仏華字紙『欧州時報』(電子版)が伝えた。

抗日戦争で3500万人の中国の軍人と一般人が死亡した。南京大虐殺では、30万人以上(以下、30万人)の同胞が死亡した。第二次世界大戦の反ファシズム戦争で、アジアの主戦場となった中国は深刻な被害を受けた。記念日と追悼日の制定は、海外の華僑・華人を含むすべての中国人の心の声を示している。しかし日本当局の右傾化政策により、中日関係が日増しに緊張を強める中、記念日の制定には明らかな警告の意味合いが込められている。朝日新聞の報道によると、外務省の関係者はこの措置を「日本全体に対する敵視」と判断し、中日関係はこれによりさらに悪化すると称した。

世界の多くの国(特に欧州)では、第二次世界大戦の犠牲者を偲ぶ日を制定している。最も有名なのは、毎年1月27日のアウシュビッツ強制収容所解放の記念日だ。しかしアジアには、このような記念日が存在しない。日本の軍国主義の罪が軽いというのだろうか?それは絶対に違う。日本がドイツのように自国民がかつて犯した罪を直視せず、歴史的事実の否定を繰り返し、ましてや反省などしていないからだ。むしろ残されたのは戦犯を祭った靖国神社で、政治家が参拝するほか、これを誇りとする民間人も多くいる。

中国の3500万人の戦死者、南京大虐殺の30万人の犠牲者について、中国はユダヤ人のように一人一人の氏名を列挙することができない。これは残念なことだ。中国がよく使う「実用的」な歴史観は、余りに多くの政治的任務を担っている。抗戦の勝利後、中華民国政府から中華人民共和国政府にいたるまで、さまざまな外交戦略に関する考慮により、日本の侵略に対する調査と記載が迅速に進められず、重視されなかった。これにより日本の戦争の罪に対する感情的な宣伝が多くなり、事実と数字の正確さが失われ、規範的かつ荘厳な国家級の正式な記念活動がないがしろにされていた。現時点で、12月13日に警報を鳴らすのは南京市だけだ。

中国は今日、国際的な慣例に合致する、国内外の中国人の感情に配慮した重要な一歩を踏み出した。命の最大の意義は、一人一人の個人にあり、それは3000万人であろうと、30万人であろうと、3人であろうと同じだ。南京大虐殺は近現代の中華民族の苦難の縮図、歴史の記憶の最も重苦しい1ページ、天理・倫理の重要な一章だ。犠牲となった国民への態度は、一つの国家の文明の程度、一つの民族の生活への態度を反映する。民族が歴史を胸に刻むことを重視するほど、国は国民一人一人の価値を尊重するようになる。

ユダヤ人の努力により、「アウシュビッツ」という言葉は地理と事件の含意を超え、文明時代のホロコーストの象徴になり、人類の苦難に対する反省とヒューマニズムのさらに深い認識を含むようになった。南京大虐殺の犠牲者の不幸は、同じような価値に変化されるべきで、日本の中国侵略戦争に対する人々の理解をより全面的に深め、日本の戦争の罪を歴史の恥辱の柱に打ち付けるべきだ。これは中国のアジア・世界の平和と文明に対する重大な貢献となる。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年3月11日

 

 

 
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