沈曉寧＝文　馮進＝写真・ビデオ

林志梅代表

多くの人々が、腐敗分子の効率的な処罰に注意を集中している中で、一部の人々は腐敗防止に黙々と取り組んでいる。　

「両会」の開催期間中、本誌記者は江蘇省の全人代代表である南京市職務犯罪予防局の林志梅氏を取材した。彼女の話により、我々は中国の腐敗防止活動についていっそう理解を深めることができた。

「私は職務犯罪の防止一筋でもう18年になります。主な業務は、社会の末端に至るまで職務犯罪の予防活動を展開することです。我々の業務成果を数字ではかるのは難しいものですが、職務を全うするならば多くの腐敗事件を未然に防ぐことができます。社会の健全な発展に貢献できるだけでなく、個人や家族の調和と幸せを守ることができるのです。

2001年3月、南京市で職務犯罪防止を指導するチームが設立され、2003年より南京市全域で職務犯罪ゼロ活動を展開しました。現在、合わせて1569社もの企業がこの活動に参加し、こうした活動が企業に栄誉以外にも望ましい効果や利益をもたらすと感じている人は少なくありません。

ある企業を訪問した時、彼らが多くの表彰を受けているのを目にしました。その中でも、「南京市職務犯罪ゼロモデル企業」の表彰物が会社の一番目立つところに飾られていました。この企業の会長は私に対して、この賞によって顧客の信頼を勝ち得ることができているので、数ある賞の中でもこの賞を最も重視していると述べました。さらに彼は職務犯罪の防止は、まず各企業や事業団の役員たちに対して実施し、そしてこれらの役員たちによって、部下や従業員たちの行動を規範化するようにするなら、企業や事業団の内部において上役の模範によって部下を動かす体制を作り上げることができると助言してくれました。私は彼の助言にとても感動しました。確かに職務犯罪の防止は、人々に能動的な態度をつちかわせるものとなっています。

2007年、我々は職務犯罪予防のＰＲ団を組織しました。各企業の法律に関するさまざまなニーズに応えるため、無料の法律相談サービスを提供しました。

また、我々はコミュニティを訪れて、演劇や公益広告、ミニ映画の上映などによって、一般市民が無意識のうちに啓発や教育を受けられるようにしており、より多くの人々の参加を促しています。ある時、コミュニティでのＰＲ活動が終わった後、一人のおばあさんが、私の話を聞いてどんな金銭や物品が贈り物ではないのかよく分かったと語り、税務部門に勤める息子に軽はずみに賄賂を受け取ってしまうことがないように注意を促したいと言っておられました。

我々の業務によって、職務犯罪の予防が腐敗撲滅の第一歩となり、より多くの人々がどんな行為が職務犯罪に相当するのかを理解するようになり、全国民に腐敗抑制の意識を抱かせることができます。これは私の仕事の意義であるだけでなく全人代代表としての私の職責でもあります。今回の「両会」で、私は職務上の調査研究を基に、国に対して職務犯罪予防の法整備を求める議案を全人代に提出したいと思っています」

南京市人民検察院職務犯罪防止局局長の林志梅代表が『人民中国』誌の取材を受けた

人民中国インターネット版　2014年3月13日