![]() |
![]() |
ヤオ族に分類されているが | ||||||||
湖南省の省都・長沙からオフロード車に5時間揺られ、ようやく省南西部にある隆回県小沙江鎮の花瑶のふるさと虎形山ヤオ族郷に到着した。虎形山ヤオ族郷は湖南省を南北に走る雪峰山脈の東のふもとにあり、標高は平均で1320メートルあり、気温も平地とはかなり違う。ここは降水量が多く、四季がはっきりしており、気候はおだやかで、冬暖かく夏涼しく、年間平均気温は摂氏11度となっている。この周囲を険しい山に閉ざされた地に暮らす花瑶の人々は、祖先から受け継いできた古く素朴な暮らしを忠実に守り続けている。 花瑶は謎めいたエスニック集団だ。1950年代初期の民族認定ではヤオ族に分類されたが、このたった6000人ほどの「ヤオ族の一派」は実はヤオ族の始祖とされる盤王のことも知らなければ、ヤオ族の祝祭日を祝ったこともない。彼らの身なりにヤオ族の痕跡はまったく見当たらない。 この集団の女性はとりわけおしゃれ好きで、彼女たちの服装やアクセサリーは一貫して祖先から受け継いだ古く、こまごまとして、奇怪で、伝統的なスタイルを持つ。遠くから見ると眼が覚めるように美しく多彩で、まるで鮮やかな花の海のようだ。そこで、人々は彼らを「花瑶」と呼ぶようになった。 「お年寄りに聞いたところでは、宋代の頃、皇帝が南方の民族を征伐したそうです。私たちの祖先は官軍に追われて江西から逃げ延びて来て、最後に虎形山一帯の山中に隠れたのだそうです」と、73歳の黄さんは花瑶の歴史を語ってくれた。 花瑶は、長い歴史の流れの中で、排除され放逐された集団で、民族移動の中で、彼らは何度も歴代の官軍による追撃から逃れてきた。そして長い年月が流れ、今彼らがトーテムとして崇拝するものはみなこの歴史に関するものとなっている。 彼らは古木を守り神とあがめる。かつて、彼らが深い山林に逃げ込んだ時、深く生い茂った樹林が彼らを追っ手から守ってくれた。花瑶の人々が集まって暮らす祟木凼村の村はずれには古木が生い茂る丘がある。林の中には、光緒9(1883)年旧暦12月28日に建てられた「永遠蓄禁」(森を永遠に守り伐採を禁止するという意味)の石碑が静かにたたずんでおり、人々の樹木保護の伝統を物語っている。花瑶の村の古木の林に入るのは、尽きることのない伝説と物語の世界に足を踏み入れることだ。花瑶の人々は樹冠、枝、根、幹などの形に基づき、また木々同士や木と周囲の環境との組み合わせなどから名前をつけている。例えば「夫妻不離」「千年富翁」「天羅地網」「銀蛇拱地」「天女散花」といった具合だ。
人民中国インターネット版 2014年5月
|
||||||||
人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。 本社:中国北京西城区百万荘大街24号 TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850 |