来客を酒で「おもてなし」

 

 

「嗚哇山歌」は「高腔山歌」に属し、2008年には中国の無形文化遺産に指定された。自慢の喉を披露してくれた嗚哇山歌の名人は実は古希を迎える老人だ
 花瑶の村を訪れると、村はずれにさえ到着しないうちに、盛装した娘たちが「攔路酒」(道を遮る酒の意味)を持って道をふさいでいるのを発見するはずだ。来客にふるまわれるこの「攔路酒」は山に住む花瑶の人々が自家醸造した米酒だ。米酒には二つの種類がある。一つは甘酒に似て、甘くて粘りけのある口当たりが良い酒だ。もう一つは蒸留したものでアルコール度数は20度を上回る、いわゆる白酒だ。しかし、観光客は注意した方がいい。この米酒は口当たりは良いが、飲みすぎると後で相当に効いてくるのだ。

花瑶の人々はほとんど誰もが「山歌」の名手のようだ。先祖代々歌い継がれてきた彼らの「嗚哇山歌」は、国の無形文化遺産に認定されている。「嗚哇山歌」は15の調子を有し、それぞれの調子ごとに数百の歌がある。野良での仕事の時に山歌は掛け声の役割も持ち、人々の気持ちを奮い立たせる。青年たちの間では山歌で愛情表現がなされる。朝ごはんの後には、神を迎える楽しくテンポの速い山歌を歌う。午前に歌う山歌は決まったメロディーを持ち労働の掛け声となる。午後の仕事じまいには神を見送る山歌を歌う……。

花瑶の「嗚哇山歌」は全部で数千曲もあるが、中でも興味深いのは若者たちの間で歌われるラブソングだ。これらの曲は歌詞がユニークで、若者たちの恋愛、忍び会いの知恵が込められている。

「家でいい子にしているの、家中に灰をまき散らすわ、あなたが家に入ったらおぶってあげる、二人で一足の靴を履けば、神仙にだって気づかれない」

「私が来てと言ったらすぐに来て、白衣を着ないで靴も履かず、鋤で水を担いで来て、(音がしないように)門柱に水をかけ横になってすり抜けて来て」

 

花瑶の若者たちはいつも歌掛けによって気持ちを伝え合い、愛情を表現する

 集落に入る時の「攔路酒」は飲まないわけにはいかない

 

人民中国インターネット版 2014年5月

 

 

 
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