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日本よ、根本を見失ってはならない |
長崎市で6月5日及び6日、「新日中友好21世紀委員会長崎意見交換会」が開催された。近年、中日関係は浮き沈みを繰り返し、さまざまな矛盾・問題が集中しており、日本の政治の右翼化と軍事安全動向は注目を集めている。中国と日本は世界第2、第3の経済体であり、地域における重要国だ。非常に困難な局面を迎えている両国関係をうまく処理するには、根源から考え直し、表層問題と深層問題を共に解決する必要がある。(文:葉小文・人民日報海外版特約論説員、新中日友好21世紀委員会中国側委員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載) 表層問題解決における当面の急務は、日本政府と指導者が真の意味で中日共同声明の精神に基づき、軍国主義と一線を画し、誠実な態度で侵略の歴史を反省し、実際の行動で歴史問題を適切に処理し、アジア隣国からの信頼を得ることだ。領土主権問題においては、中国に対する挑発行為をやめる必要がある。 友人の日本人有識者は、「問題は一部の極端な右翼勢力にある。彼らは自分の意見に固執し、道理が通じず、揉め事・トラブルを起こし、誤解を拡大し、確執を深くし、恨み・怒りを扇動し、物事を台無しにする」と語った。中日関係の主な危険は、右翼勢力による挑発と扇動だ。 表層問題の解決には、深層問題の解決が必要であり、深層問題の解決には、根本から問題を解決する必要がある。 甲午戦争(日清戦争)から120年。中国も反省しているが、日本も少しは反省するべきだ。甲午戦争後、日本の右翼勢力は極端化し始め、軍国主義者が際限なく膨張し始めた。米国の学者は当時の日本について、「日本はいわゆる勝利病にかかった。どんな戦いも仕掛け、どんな国も戦略しようとした。その結果、飲み込んだものを無理やり吐かされる結果となった」と指摘する。韓国の学者、李御寧(イー・オリョン)は、「真珠湾攻撃のアイデアは、一撃必勝という剣道や相撲の考えから来たものだが、それをやるには範囲が広すぎた。日本はいつも盆栽をだだっ広い平原に植え替えようとして間違いを犯す」と指摘した。 中日双方は今、新たな相互認識と位置づけを改めて確立し、互いがパートナーなのか脅威なのか、チャンスなのか試練なのかを、根本的に解決する必要がある。 日本はアジア最大の先進国、中国は世界最大の発展途上国だ。先進国は引き続き発達し続け、全面的な発展を目指す。一方の途上国は発展を加速し、大きく台頭し始めている。日本にとっての発達と、中国にとっての発展。どちらも「絶対の道理」だ。どちらも揺るぎない道理であり、道理は通さなければならない。2つの大国は、発展の段階こそ異なるものの、どちらも「持続可能な発展」という同じ道を歩んでいる。両国は同じ方向を向くべきであり、ぶつかり合うべきではない。 日本は、不安定な情勢や地縁・政治的衝突において火中の栗を拾うべきではない。米国の「アジア回帰」で中国をけん制し、「虎の威を借る狐」になろうとしてはならない。21世紀になったのに、いつまでも「脱亜入欧」を引きずり、近隣窮乏化というかつての夢に浸っていてはならない。植民地化・領土拡張・覇権主義の旧時代に留まらず、冷戦思考・ゼロサムゲームの古い枠組みから脱却するべきだ。世界のボス・アジアのボスとなる構想をやめ、すでに破綻した、力及ばずの「リバランス」とやらに拘泥していてはならない。 明治維新後の日本と、改革開放を経た今の中国を比べてみていただきたい。両者には「力強い発展の勢い」という共通点がある一方で、大きな違いもある。それは、中国は急速な発展の中でも、日本のように軍国主義の道を選択することは無いし、できないということだ。中国には「安定と平和、発展を根本とする」という賢明な戦略的位置づけがある。日本も「平和を享受し、実務的で根本を守る」という戦略的位置づけを見出してもらいたい。 日本は、戦後の「正常でない国家」の地位から脱却しようと急いでいる。それならば、旭日の「日」に陶酔するばかりではなく、根本をわきまえ、それを守る最低限の抑制も必要なのではないか。 「尻尾が犬を振る」という言葉があるが、今日の日本政府のやり方はまるで「尻尾に振り回される犬」であり、まさに本末転倒だ。つまり、「枝葉末節」に振り回され、誤った方向に導かれる結果として、「根本的なこと」が駆逐されようとしている。 6月6日、各国の元首・首脳らがノルマンディー上陸作戦70周年の記念式典に出席した。第2次世界大戦のアジアの戦場において加害者国、敗戦国であった日本は、今もなお時代に逆流し、侵略の歴史を覆そうと企み、歴史問題において逆戻りしようとしている。 日本よ、根本を見失ってはならない。 (編集SN)
「人民網日本語版」2014年6月8日
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