山奥で中原文化見つけた

 

道路の両側に明清時代の古建築が軒を連ねる霍童古鎮の中心街。昔のままの生活空間が観光開発を免れて残っている。名物の霍童操り獅子舞のミニチュアを売る店もある

78歳の陳芳盛さんがたたく太鼓の音はどうして力強いのだろうか。ステージでは3匹のかわいらしい獅子が糸で操られ、刺繍が施された繍球を追いかけながら、太鼓の音に合わせて跳んだり跳ねたりしていた。日本の人形浄瑠璃を思い起こさせた。ステージの裏では10人の若者が操り糸をしっかり握り、引いたり伸ばしたり。全員汗だくだった。

操り獅子が「空中遊泳」も

この操り獅子舞は寧徳霍童鎮に千年以上も伝わっている民間芸術で霍童操り獅子舞(霍童線獅)と呼ばれ、また中国最大の操り人形でもある。演目は1匹の雄獅子もの、兄弟獅子もの、一家3匹もの、親子3代5匹ものの4種類。操り師のチームワークと細かな演出によって、獅子は座ったり寝たり、身体を伸ばしたり、山登りの格好もでき、表現力に富んでいる。2006年、国家級非物質文化遺産(無形文化財)に指定された。

3匹の獅子が繍球を奪い合っている構図は中国の伝統文化では吉祥を表す。中国国家級無形文化財に指定されている霍童操り獅子舞にも取り入れられている

1匹の獅子の重さは約18キロで、最も重たい獅子は27キロ近い。この重たい人形を跳んだり跳ねたり、空中を飛ばしたりするのは簡単なことではない。1匹の獅子を操るには少なくても3人必要だ。操り師の青年たちは小さい時から武術の練習を重ねた力持ちばかりだが、一幕20分の演技を終えると疲れきるそうだ。太鼓をたたく陳芳盛さんもかつて獅子を操っていた。三十数年この芸術に従事し、さらに次世代の若い人たちに伝えてきた。今でもステージで活躍しており、彼がたたく太鼓の音色が舞台監督だ。

舞台裏で獅子を操る若者たち。チームワークと正確、機敏な動作でステージの獅子を跳んだり、跳ねたりさせる

 

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