撮影スタジオ建設で転機 懐柔区の楊宋鎮仙台村

                    

 高原=文 馮進=写真

懐柔区の産業グレードアップにつれ、農業はもはや地元農民の主な収入源ではなくなってきた。村々がおのおのの特色や条件に基づき、環境負荷が少ない第三次産業の発展に取り組むようになったからだ。

懐柔区の楊宋鎮と仙台鎮は中国電影集団デジタル制作基地(以下「中影基地」と略)と星美今晟映画・テレビパークに隣接している。前者は映画・テレビ撮影、録音、デジタル加工、アニメ、ゲーム、CM制作などプロフェッショナルな業務を提供する製作基地であり、後者は中国北部において最大の映画・テレビ番組の野外撮影・制作スタジオである。この二つの基地の集積効果が現れ、200近くもの映画・テレビ関係企業が楊宋鎮が進出した。しかし、基地の高い入居料を前に、多くの小型制作グループがここを敬遠したため、仙台村はさらに自力で撮影スタジオを建設し、それを安価に貸し出すこととした。

仙台村の謝淑萍・党支部書記によると、2010年、村は中影基地の馬喆副社長を名誉村長として招き、中影基地との連携を深めた。2012年、同村はまた2000万元を投資し1500平方㍍の小型撮影スタジオ3つを持つ仙台映画・テレビパークを建設し、最近話題となっている『白髪魔女伝』を含む10数本の映画やテレビドラマが、ここ2年の間に撮影された。

撮影スタジオができると、周辺地域の関連サービス業の発展にもつながった。現在、多くの村民は制作グループの依頼に応じて、小道具や衣装を作ったり、大工・電気工などのサービスを提供したりしている。役者が不足した時には、地元の村民がエキストラとして招かれることもある。村民たちはそれを一種の気晴らしとして楽しんでおり、たまに通行人や兵士役を演じて、数十元の報酬を得ている。夏休みには、謝書記の子どもも道端で泣く浮浪児を演じたが、なんとその撮影には丸一日かかった。村民だけでなく、村民が飼っている羊や猫も撮影に狩り出されることがある。

この地で撮影を行う制作グループが増えるにつれ、チャンスを求めてやってくる大部屋俳優も多くなった。大部屋俳優生活2年目の黒龍江省出身の葛さんもその1人である。今回のテレビドラマ撮影では、スパイ、下僕などのいくつかの役を演じた。もともと金融関係の仕事に従事していたが、演技をすることがとても好きだったので、思い切って仕事をやめ、この道に入った。多くの人の前で演技をするのは気分が良く、とても楽しいと彼は言う。

 

 

仙台村が2000万元を投資して建設した撮影スタジオ、仙台映画・テレビドラマ園

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