勝利から新たな勝利に向かう-中国人民抗日戦争勝利記念日の際に記す

 

歴史は過去に属するが、同様に未来を明示することができる。

69年前の9月2日の日本政府の降伏文書調印は、第二次世界大戦での反ファシズム勢力の最終的な勝利を示している。この日は、中国にとっては特に心にしっかりと刻みつけられている。この百年の屈辱の浮き沈みを経て、無数の悲惨な代償を払ってきた古い歴史をもつ国は、近代以来外敵の侵入に抵抗してきた初の完全な勝利を迎え、衰退から復興に向かう歴史の転換点となっており、中華民族は「己が敵との血戦を最後までやり抜く気概をもち、自力更生を基礎として敵に取られた国土を取り返す決意を抱き、世界の諸民族のなかで自立する能力がある」ことを証明した。

今年2月、全国人民代表大会(全人代)常務委員会は9月3日を中国人民抗日戦争勝利記念日として立法形式で確立させ、国家レベルの厳粛な儀式で、全人民の共同参与によって、この血と涙で記された偉大な勝利に崇高な挙手の礼をすることを決定した。

国の名を以て勝利に敬意を表するのは、日本による中国侵略戦争で悲惨にも殺害された多くの同胞と国のために命を犠牲にした抗戦の烈士を慰めるためなのだ。

1931年の「九一八」事変に始まり、1945年に日本が降伏して終わるまでの14年間、極悪非道な侵略者に直面し、中華民族は侵略者との命がけの抗争を誓い、軍民3500万人の死傷という多大な代償を払った。南京大虐殺の残虐きわまりなさや、国土を破壊された国の恨みと一族の敵意において、中国人民は胸の痛みを感じさせられた経験を有している。「私たちは苦難を永遠に二度と繰り返さないことへの証人となり、受難者の記憶を永久に尊重させる責任がある。」との国連の呼びかけは、それを記念する真理を語っている。

国の名を以て勝利に敬意を表するのは、この中国の運命を変える歴史的転換をしっかりと記憶するためなのだ。

抗日戦争の勝利は、百年にわたり中華民族の立ち遅れ且つ打ち負かされてきた局面を徹底的に逆転させた。中国共産党は危機に際して身を挺し、それが先立って提唱し積極的に推進してきた抗日民族統一戦線の旗の下、国を挙げて力を合わせて困難を克服し、共に身を挺して国難に当たった。中華民族の外敵に抵抗してきた歴史において、今まで抗日戦争のように、民族の目覚めがこのように深く、社会動員がこのように広範で、戦闘への意志がこのように強かったことはなかった。当時の米国アジア艦隊司令官のハリー・ヤーネル (Harry Yarnell)は「日本侵略者に抵抗した民衆は有史以来最も偉大な力で、彼らは常に成長しつつあり、彼らの勝利は必然的なものだった!」と思わず感嘆している。抗日戦争の洗礼を経た中華民族は、中国共産党の指導の下で一層力強く団結し、その時から偉大な復興へ通じる希望の道を歩み出した。

国の名を以て勝利に敬意を表するのは、戦後の国際秩序を守り、世界の平和の光を守護するためなのだ。

平和と正義を守ることは、人類の最高の責任と共通の追求であり続けている。第二次世界大戦期間中、中国は世界の反ファシズム勢力と肩を並べて戦い、莫大な犠牲によって戦争の最終的な勝利をあがない、鮮血と命で戦後の国際秩序のために強固な基盤を打ち立てた。しかし当面、世界が戦争を反省し、平和を祈祷する際に、かつての加害者は侵略の歴史を否定し、歪曲し、更には美化さえしている。平和、発展、協力、ウィンウィンの理念が日益しに各国の共通認識となっているが、日本当局は国際秩序に公然と挑戦し、アジア・太平洋の安定に絶えずもめごとを引き起こしている。

 歴史は忘却できず、正義は挑戦できない。抗戦勝利を盛大に記念することは、悪事を企てようとする軍国主義分子を威厳をもっ驚愕させることであり、国際社会全体のために警鐘を鳴らすことでもある。日本の右翼が勝手に歴史を改ざんし、軍備・武力増強路線を継続的に暴走することを放っておけば、地域の安定だけでなく、更に得難い世界の平和に損害を及ぼすことになる。国の名によって勝利に敬意を表することは、抗戦精神を発揚し、中華民族の偉大なる復興を目指す中国の夢を実現するのためだ。

69年前の硝煙は消えたが、中華民族は強敵の前で表現してきた何万人という民衆が心を一つにし、数々の逆境に屈しない抗戦精神と愛国心は、依然として我々が現在、推進している民族復興の偉大なる事業における最も貴重な精神的財産だと言える。

30年余りの改革開放を経て、中国は精力溢れるエネルギーを放ち、改革に対する全面的深化の元年という歴史的な新起点に立ち、我々が民族の復興に向けた偉大なる目標を実現するまで、これほど近い距離に接近したことはかつてなかった。我々はまた、改革発展路線において、厳しい試練と重い任務に直面している。思想観念の砕氷から発展方法の転換に至るまで、利益構造の調整から制度建設の刷新に至るまで、発展の肝心な段階にある中国は、抗戦の精神からエネルギーを汲み取り、民族の自信と自尊心を高め、困難を恐れずに邁進する勇気と責任感によって、改革という大事業を絶えず前進させていくことがより求められる。

 

新華社日本語部より 2014年9月3日

 

 
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