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いつまでも花咲く「牡丹磁」 | ||
それが「牡丹磁」だった。中国の伝統的な陶磁器文化とボタン文化を融合させた新たな陶磁器芸術だ。原料は良質のカオリンを使用し、唐の白磁器と唐三彩の焼成法をもとに、各種陶磁器の精粋を汲み取り、ボタンの花の形、姿勢と品格を磁器に溶かし込んだ。今年7月、習近平国家主席と彭麗媛夫人が韓国を訪問した際、朴槿恵大統領に洛陽の牡丹磁を贈呈した。 牡丹磁の創始者・李学武さん(44)が、ボタンと陶磁器のコラボを考案したのは、戦友の何気ない一言がヒントだった。2007年5月、その戦友がボタンを観賞するためにわざわざ洛陽にやって来たが、時期外れだったので、花を見られなかった。心残りのまま帰る際に「いつまでも散らないボタンはできないのかな」と残念そうにつぶやいた。この一言からぴんときた李さんはボタンの美しさを芸術品として生かす手はないかと頭をひねった。その年8月から、李さんと妻の賈愛萍さんは中国の三大磁器の街と言われる江西省・景徳鎮、湖南省・醴陵市、福建省・徳化県などの街を100回以上も訪ねた。材料を真剣に吟味し、1000回以上のテストを繰り返した結果、ついに2009年末に牡丹磁が生まれた。 最初の牡丹磁が発売されてから、ボタンの立体感と生き生きとした躍動感を際だたせるために、李さんは絶えず技法を改善し続けている。「花は頭に浮かんだものの写し鏡だ」と、彼はしばしば社員たちに話している。今では、洛陽ボタン展示会が開催されるたびに、社員たちは鑑賞に行き、朝と昼で違う花の色、雨や露のしずくが光る様子など、ボタンの七変化をカメラに収めるようになった。 当初、牡丹磁はボタンをテーマにデザインしていたが、今はボタンに限らない。韓国大統領に贈呈された牡丹磁にはハスの花があしらわれていた。中国の伝統文化では、ハスの花は平和、吉祥、調和を象徴し、友情の使者にも例えられている。ハスの他に、バラ、シロモクレン、チューリップなどをデザインした牡丹磁も考案されている。今は、サクラをテーマとした牡丹磁作製に取り組んでいるそうだ。中国の陶磁器芸術の粋を吸収しているだけではなく、書道、篆刻、絵画など、中華文化の代表的な要素も牡丹磁に反映されている。 複雑な技法が必要なので、1万元(約16万円)~2万元(約32万円)もする牡丹磁は、工芸品としてかなり高価なのだ。李さんの次の目標は牡丹磁の実用品をつくることだ。観賞価値の高い作品の他に、日常生活でも使えるものを作りたいと考えているそうだ。
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