APEC閣僚会議が閉幕 6つの共通認識

 

アジア太平洋経済協力(APEC)の第26回閣僚会議が8日、北京で閉幕した。共同議長を務めた中国外交部(外務省)の王毅部長(外相)と商務部(省)の高虎城部長がそれぞれ閉幕の挨拶を述べたほか、会議後に共同会見を開き、国内外の記者に向け会議の成果を紹介した。新華網が伝えた。

王毅部長は、記者会見で次のように述べた。

APEC閣僚会議では、北京APECのテーマ「アジア太平洋パートナーシップを通じた未来の形成」の下、各議題をめぐり意見交換が行われ、重要な共通認識に達した。

各方面は、APECが過去25年間で達成した成果を高く評価すると共に、APECが過去を受け継いで未来に活かすという重要な時期にあり、新たなチャンスと試練に向き合い、地域経済協力の推進、経済成長の促進といった面でより大きなけん引・協調の役割を果たしていくべきとの認識で一致した。

会議では「閣僚共同声明」が採択され、一連の重要な協力に関する提案を承認した。共同声明は首脳会議に提出され、審議の上採択される。今回の閣僚会議は所定の目標を達成し、2日後に予定されている首脳会議に向け準備を整えたと言える。

閣僚会議では、主に6つの共通認識が形成された。これは6つの注目ポイントとも言える。

(1)未来に向けたアジア太平洋パートナーシップを共に構築し、アジア太平洋の長期的な発展と共同繁栄を実現する。

(2)アジア太平洋の開放型経済構造の構築に努め、アジア太平洋地域の、世界経済成長のエンジンとしての地位を確固たるものにする。

(3)地域経済統合の方向性を堅持し、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構築への取り組みを始動・推進し、太平洋両岸に利益をもたらす地域経済の新たな枠組みの構築に努める。

(4)「革新的な発展、経済改革及び成長に関するアコード」を承認、中所得国の罠の克服、インターネット経済、都市化などの新分野を巡り協力を展開し、アジア太平洋経済の新たな原動力を発掘する。

(5)アジア太平洋地域のインフラ建設と連結性強化に対する需要を高く重視し、「APEC連結性ブループリント」を首脳会議に提出。アジア太平洋の長期的な発展に向けて基盤を固める。

(6)中国の推進の下、今年のAPECでは腐敗対策の協力を強化し、「北京反腐敗宣言」を採択。腐敗の取締りに向けたAPECの法執行協力ネットワークを構築し、アジア太平洋地域で逃亡した犯罪者や盗品の返還などの協力を行い、国を跨ぐ腐敗を取締まる。

高虎城部長は次のように述べた。

閣僚会議では、多角的貿易体制の支持、FTAAPの構築推進、グローバル・バリューチェーンとサプライチェーンの協力促進、経済技術協力の強化といった議題をめぐり意見を交換し、重要な共通認識に達した。まもなく開催される首脳会議に向け、基礎を固めた。

会議では多角的貿易体制を支持することが改めて言及され、できるだけ早く交渉の行き詰まりを打開し、バリ合意の成果を全面的に実施し、「バリ後(ポスト・バリ)の作業」の計画制定を急ぐことで一致した。

また、2014年より地域経済統合の強化と、FTAAPの構築推進に向け適切な措置を講じていくことで合意した。「FTAAP実現に向けたAPECの貢献の北京ロードマップ」をめぐって共通認識に達し、FTAAP実現に関連する課題にかかる共同の戦略的研究を開始し、全面的かつ系統的にFTAAPの構築を進め、最終的なFTAAP実現に向けて有利な条件を整え、基盤を固めることで合意した。

会議では「グローバル・バリューチェーン発展と協力推進のための APEC戦略的ブループリント」及び「グローバル・バリューチェーン APEC 付加価値貿易測定(TiVA)に関する戦略的枠組」を承認、世界のバリューチェーン発展に有利な政策環境と貿易測定体系を共に構築していくことを決定した。

さらに、経済技術協力の重要性が改めて言及され、「APECの貿易投資の発展促進をめぐる能力建設の戦略的計画」を承認。妥当性の高い経済技術協力と能力建設に力を入れ、発展途上の加盟国の貿易・投資発展能力を高めていくことで合意した。

両氏は最後に、「閣僚会議が円満に終了し、首脳会議に向けた準備は整った。今年の首脳会議では豊富な成果が得られ、新たな突破が実現され、アジア太平洋地域の共同発展、繁栄、進歩に向け、大きな原動力が注入されるだろう」と述べた。(編集SN)

 

「人民網日本語版」2014年11月9日

 

 
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