「新常態」の世界的な意味は

 

 

盧氏はさらに次のように分析している。「習近平国家主席が北京APECという国際舞台で、『新常態』に言及したのは、中国経済の基本面に前向きの変化が現れていることを明らかにし、中国の政策決定層がアンバランスと調整困難に直面し、その打開に決意を固めていることを披歴し、中国経済情勢の特徴に対してある種の原則に沿った解釈を与えたものだ。またこれは期待にあふれ、コンセンサスを凝集し、海外の人びとに中国経済を理性的、実務的に見るように導き、世界経済に安心感を与えた」

第1〜3四半期の中国経済の成長率は7・4%に戻ったが、国際通貨基金(IMF)の推計によると、中国経済の成長率が世界経済成長率に対する貢献率は27・8%であり、米国を上回った。また対アジアで言えば、中国経済の成長率1はアジアの成長率に0・3の影響を与える。

「新常態」に向かっている中国経済は、アジア太平洋地域、世界にとって好ましいニュースである。前出の王小広氏は以下のように分析している。「新常態」に入って以降、経済総量の規模が大きいので、中国経済の世界経済に対するけん引力は低下することはあり得ず、また世界市場に対する需給力も弱まることはあり得ない。同時に、これは経済構造の普段の最適化を意味し、グローバル経済のリバランス(再均衡)と健全な発展に大きな直接的な効果を発揮するだろう。

米キャタピラー(NYSE:CAT)のダグ・ オーバーヘルマン会長兼最高経営責任者(CEO)は11月9日、北京で開かれたAPEC・CEOサミットで次のようにコメントした。「いかなる経済体も二桁成長を維持し続けることは不可能であり、中国は『新常態』下で中高速成長に転換しても、世界の主要経済体の中では最前列にいる。経済成長はスピードのほかに、質がさらに重要であり、ひとつの国家はひとつの企業と同じように、不断に改革を推進し、成長を促進しなければならない」

APECで、関心を集めたのは、中国がアジア太平洋地域で果たす役割も一種の『新常態』に入っているという点だった。習主席は11月9日の演説で「中国は総合的な国力の向上によって、アジア太平洋地域、世界に公共財(パブリック・グッズ)を提供する能力と意向を持っている。特に、それは地域協力の深化・発展促進のための新アピール・新構想である」と述べた。この前日、習主席は中国は400億㌦を出資し、シルクロード基金を設立し、「1帯1路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」の沿線各国のインフラ整備、資源開発、産業協力、金融協力などと相互連携関連プロジェクトのために、融資と支援を提供すると宣言した。世界銀行の英卓華・常務副総裁は「東アジア地域と太平洋地域は世界で経済成長が最も速く、APECが中国で開催され、中国が改革深化を進めていることは世界経済の回復に信頼感を与えた」と述べた。

中国は北京APECのテーマを「未来志向のアジア太平洋地域パートナーシップを共同建設」と確定し、、地域経済一体化推進、経済の刷新・発展・改革・成長の促進、全方位のインフラ整備、相互連携の構築を重点議題に据えた。この会議で習主席は「中国は自国マターに精力を集中するが、自らの発展の成果がアジア太平洋地域、世界にももたらされるよう努力する」と語った。

 

 

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