途上国の民生向上を最重視

 

前述の白書によると、中国の対外援助の主な内容は、他の途上国の貧困削減と民生改善を後押しすることだ。途上国の農業の発展や教育レベルの向上、医療サービスの改善、社会公益施設の建設を中国は支持する。そして他国で重大な災害が起きた時にはすぐに人道援助を提供する。

近年、中国は人道援助をいっそう重視しており、開発の特に遅れた後発途上国の民生事業に特別な関心を寄せている。途上国の民生事業の発展を推進することは、次第に中国の対外援助の主要な目標になりつつある。2009年末までに、中国は途上国の経済インフラ442項目、公共施設687項目の建設を支援し、約70カ国に2万人以上の医療スタッフを派遣し、億単位の患者を回復させてきた。

これについて、魏建国・中国国際経済交流センター秘書長は実例を挙げて説明する。「援助事業で道路を建設していた時、私たちは片田舎の村を通り過ぎた。その村には井戸がなく、村人たちの飲み水の問題を解決するため、私たちは計画にはなかった井戸を掘った。このほか辺境地区には蚊がとても多く、疾病、特にマラリアが多発し、私たちは特にその地区に病院を建てた。医療スタッフは4、5人しかいなかったが、現地の医療条件を改善できた」

食用油の製造や販売などを手掛ける中国の民営企業・万宝糧油は、モザンビークの7万ムー(1ムーは667平方㍍)の耕作地で、今年3・5万㌧の農産物を収穫し、食糧不足を改善する見込みだ。これと同時に、アンゴラの数万ムーの土地で、中国の陸稲が豊作となり、現地の収穫量を11倍近くにまで高めた。「中国はいま、13億人の食糧問題を自力で解決した経験をアフリカなどの途上国に持ち込み、長期的な食糧不足の局面を転換させようと手助けしている」。王濼・商務部国際発展協力研究所所長はこう話す。

 

 

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