政界要人が相次いで中国へ

 

 

今年4月から、河野洋平元衆議院議長が率いた日本国際貿易促進協会訪中団、舛添要一東京都知事、高村正彦自民党副総裁が率いた日中友好議員連盟代表団など、政界要人が相次いで中国を訪問した。中でも11月は最も注目された月だった。両国各界、国民が北京で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会議の開催中に、中日首脳会談が実現するのかどうかを注目していたからだ。

安倍首相は2012年12月に第2次内閣を発足させて以来、「地球儀を俯瞰する外交」、「価値観外交」を積極的に推進し、「武力による現状変更は許さない」という姿勢を明確にしてきた。これについてジャーナリスト・陳言氏は「安倍首相の外交には、釣魚島問題において中国をけん制する意図が見られ、また南海問題においては国際社会で広範な統一戦線を結成し、対中包囲網を構築しようとする思惑が見られる」と語った。就任して2年もたたないうちに、安倍首相は49カ国(10月31日現在)を訪問し、首脳会談を200回以上も行い、歴代首相の外遊記録を更新した。しかし、その外遊地図で隣国の中国と韓国は依然「空白」のままだ。

しかし今年下半期以降、特に9月3日の内閣改造後、安倍首相は折に触れ中日関係の重要性について言及し、「良好で安定した日中関係」を築こうと主張し、首脳会談の実現に向けて意欲的に取り組むようになった。その理由について、黄靖・シンガポール国立大学アジア・グローバル化研究所所長は次のように分析している。「国際情勢であれ日本の内政であれ、いずれも安倍首相の期待通りに物事は運んでいない。まず、外交分野において安倍首相は、同盟国を探し出して中国に対抗しようと試みたが不調に終わり、逆に国際社会からの孤立を招いた。次に、『アベノミクス』は日本の経済危機を根本から解決できなかったばかりか、逆に日本経済を再び不況に陥れた。さらに、安倍政権が提起した憲法改正と集団的自衛権の行使容認は国民の大半から反対を受け、安倍内閣の支持率低下につながった」

さらに次のような分析を示している。「アジア太平洋地域へ回帰(リバランス戦略)を推進している米国も東アジアの安定を維持するという配慮から、中日間に武力衝突が発生することを願っていない。オバマ米大統領は訪日中、中日両国は必ず平和的手段によって問題を解決しなければならないと繰り返し強調した。そこで、国内外で苦境に立つ安倍首相は、現状からの脱却を図るために、やむを得ず中日関係の修復を試みようとしているのだろう」

 

 

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