難波千穂美「今こそきちんと学んでおくべき」

 

訪中の2日目、出会ったばかりの中国人学生と本音で語り合った。今までこのような機会はなかった。いつもなら避けていたであろう話題について想いを語り、そして新しい視点からの考えを聞き、視野が広がった。しかし同時に自国の歴史について、そして両国の歴史についてもっと知識があれば、より深い話合いになったであろうと後悔もした。同じ班になった中国人学生が、もともと日本語を勉強するつもりではなかったが、偶然日本語を学ぶことになって、それから日本を知って、好きになった。といった。私もそうだ。もともとは強い思いがあって中国語を選んだわけではなかったし、中国を知るまでは、メディアに踊らされていたひとりであったことを思い出した。改めて、無知の怖さ、知ることの大切さを感じた。

もうひとつ感じたのは、討論会が終われば漫画やアニメの話をして、流行の話をして、本当になんの変わりもない学生同士のたわいもない世間話だったことだ。もちろんこれは留学時代にも感じたことだったが、討論会で固い話をした後だったからなおさらそう感じた。国籍など気にさせしなければ、いい意味でみんな同じだ。性格や見た目や考え方が違うのは当たりまえのことで、自分と気が合う人がどんな人かなど、国は決して関係ない。色眼鏡を外しさえすれば、人間同士の温かいつながりがうまれる。

このツアーに参加するまで、日中関係は、目の前の人の気持ちを変えること、それさえできれば改善していくと思っていた。でも大切なのは、それだけではないと知った。そこで築けた友好をどう今後につなげ、どう生かしていくか。継続の大切さに気づかされた。

また、この経験を伝えていくこと、自分の想いを発信していくことも、日中をつなぐ橋の一部になる。

 


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