華北6省が協力し大気汚染対策

 

北京市が大気汚染を徹底的に解決するためには周辺地域と協力して防止・対策することが必須となる。「北京・天津・河北が協力して発展を求めることが北京に残されている道です。北京はかつて発展に対して『北京は北京』という考え方でしたが、すでに袋小路です。これからは、北京の発展は北京・天津・河北として見るべきです。地域協力による発展に必要とあらば、北京は困難を克服して前進していきます。一部の利益を犠牲にしても惜しくはありません」と、北京市の郭金龍党委員会書記は語る。

北京・天津・河北の協力による発展に対し、国務院は突破口となる三つの分野を明示した。生態環境の問題はその一つだ。2014年末、北京・天津・河北および周辺の省・自治区・直轄市との協力による大気汚染への対応はようやく実質的な進展が見られた。その一つのシンボルとして、北京・天津・河北および周辺地域における車両汚染物質排出に対する監視プラットフォームが構築された。このプラットフォームを通じて、北京・天津・河北および山西、山東、内蒙古といった六つの省・自治区・直轄市は排出量が基準を超えた車両に対する連動的な処罰、自動車排出監視データの共有などを全国でも先駆けて実現させる。また、各地の排出量の基準が一致しない、監視データの共有ができない、外地における法的執行が難しいといった問題解決に取り組んでいる。現段階では、北京市で「黄標車(排ガスの国家基準を満たしていない車両)」、外地ナンバーの車両を見かけても、車両の登録地に戻るよう勧告するしかない。今後、監視情報の共有化によって、各地での連動的な法的執行が実現できるようになると「黄標車」が北京に入った場合には、登録地で処罰を受けることになる。このように今後は監視・管理が一層厳しくなる。

以上を踏まえ、北京市の主導で、6省・自治区・直轄市車両排出制限対策の調整チームが作られた。北京以外の5省・自治区・直轄市では連絡事務室が設置され、半年ごとに例会を行い、各地の監視・管理の状況、対応策が共有される。

また、北京市は周辺地域への産業移転が進む中、決して汚染が生じる産業を周辺地域に押し付けないことを約束した。王安順北京市市長は今年開催された北京市「両会(人民代表大会と人民政治協商会議の略称)」の期間中、以下のように述べた。「北京市は一般的な労働密集型の産業の移転を中心としていますが、汚染が生じる産業は移転ではなく、その場で閉鎖させます。責任を負わずに汚染が生じる産業を河北、天津に押し付けることはしません。そもそも大気環境とは地域性のあるものなのですから」(編集・高原)

 

人民中国インターネット版 2015年2月4日

 

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850