成都市郷鎮に環境保護機関を設立

 

四川省の成都市は龍門山と龍泉山の間にある盆地に位置している。ここは盆地特有の気候状況を形成している。霧の発生が多く、「静風」と呼ばれる地面から10㍍の高さで平均秒速0.5㍍の風が頻繁に吹く。盆地特有の気象状況は汚染物質を容易に拡散させることができない。成都市の工業発展、車両普及は大気中に汚染物質を蓄積し続け、繰り返し「重度」レベル汚染の原因の一端となってしまっている。成都は四川省の中でも、もっとも深刻な大気汚染地区の一つとなっている。

四川省環境保護庁の楊雪鴻副庁長は自然環境に頼っているだけでは大気汚染は解決できないとし「根本的な原因を特定し、対策を講じる」と表明した。静風が吹くには多くの条件が必要となり、汚染物質を拡散させるには有利に働かないため、環境の保護によりいっそう真剣に取り組んでいく必要がある。

成都市は昨年、石炭ボイラーの改造、工事現場の砂ぼこり制限の監視、火力発電やセメントなどを使用する業界の集塵改善、「黄標車(排ガスの国家基準を満たしていない黄色いナンバープレートの車両)」の取り締まりなどを行った結果、主要汚染物質PM10およびPM2.5の平均濃度が17%以上減少という明らかな成果があらわれた。成都では今後、郷鎮(県または自治権の下の行政単位)に環境保護機関を積極的に設立し、管理のモデルを確立していく。現在すでに317の郷鎮に環境保護機関を設立し、基層環境保護機関をすべてカバーし、人員の配備を行った。

成都市の環境保護局陳琳局長は「これら基層環境保護機関はまず、農村における汚染問題の解決に取り組みます。その中でも家畜飼育汚染の予防と対策、そしてわら燃焼の禁止が主な内容です」と言う。また、「郷鎮の環境保護人員は、まず汚染の原因を調査することから始めます。そして、検査のためのメカニズムを確立させます。郷鎮の1級環境保護機関は現在のところ法執行権を持っていません。そのため、省や市、県の環境保護機関と密な関係を形成していかなければなりません」としている。汚染が発生した直後の処理、あるいは発生前に防げるのであれば、環境汚染を最小限に食い止めることができると共に、環境保護の「ラストマイル」(長い過程における最後の一段階)を解決することができる。同時に、基層環境保護人員は住民に対し環境保護の習慣を身につけさせ、消費観念の指導に時間をかける必要がある。(文=高原)

 

人民中国インターネット版 2015年2月5日

 

 

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