医師と患者の関係改善に向け提案を提出へ

 

中国医科大学附属盛京病院の郭啓勇院長には、全国人民代表大会(全人代)代表という、もうひとつの重要な肩書きがある。人民日報が伝えた。

2015年の全国両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)を目前にひかえ、郭氏は真剣に準備を進めている。中でも重要なのが、大会に提出する議案と提案の準備だ。

衛生・医療業界に携わる郭氏は今年の全人代で、「中国の医師と患者間の関係改善に関する提案」「医療体制改革の深化、以薬養医 (薬品の収益で病院の経営を支える) 問題の解決に関する提案」など9つの提案を提出する計画だ。

郭氏は過去2年間で、「『三位一体』の中国式高齢者福祉モデルの建設に関する提案」「高齢化社会への対応に向けた提案」「医療改革の深化に関する提案」「『インターネット管理法』の制定に関する議案」など、30件あまりの議案と提案を提出してきた。他の全人代代表と同じく、多くの提案が中国政府から積極的な回答を得、一部はすでに政府の政策内容に組み込まれている。

全人代代表の最も重要な任務は、国民の要求を反映することだ。代表の提案内容は、国民の全人代への注目や、国の重点分野改革への理解と受け入れの程度にも影響する。現在中国は改革を全面的に深化させている。改革の深化は系統的なプロセスであり、幅広い分野に関わる。代表一人ひとりが関心のある話題について構想を練り、研究を重ねている。医療に携わる郭氏はこれまで、医師・患者の関係という問題に高く注目し、調査研究を重ねてきた。

中国では、医師と患者の関係緊迫化の問題が重視されており、医師と患者の衝突に関するニュースが頻繁に注目を集め、話題になっている。郭氏は、医師と患者の調和の取れた関係を構築する最も根本的な方法は、双方が「戦友」の関係を築くことだと考える。

「病気を共通の敵と見なすことで、医師と患者は戦友になれる。共に作戦を遂行した者は、最終的に勝っても負けても戦友であり、負けても敵にはならない」と郭氏。

郭氏は「いかなる職業にもミスの可能性はある。医療業界は、ありとあらゆる措置を講じて医療ミスの発生を防ぐ必要があるが、病院の医療サービスが理想的な治療効果をあげられなかったとしても、患者側はある程度理解しなければならない」と語る。

中国政府も近年、医師と患者の調和の取れた関係構築に向け努力しており、病院に対して医療サービスの意思疎通や患者のケアなど、ソフトパワーの向上を求めているほか、管理強化、制度改善、情報化による診療プロセスの改善、患者の診療体験向上などを要求している。また、中国の中央財政も引き続き地方への移転支出資金を拠出し、地方の各級政府も投資を強め、衛生情報プラットフォームの建設を推進し、患者の安全かつスムーズで、質の高い治療を保証し、診療体験を向上させている。

 

「人民網日本語版」2015年2月28日

 

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