司法の公正、両会の注目の議題に

 

司法問題の検討は、中国の全国両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)の慣例である。中国憲法は、両会において中国最高の審判機関(最高人民法院)と公訴機関(最高人民検察院)が全人大代表に向けて過去1年間の活動を報告することを規定している。まもなく開かれる今年の両会でも、冤罪事件発生の防止や司法の公正確保などが議論の焦点となると見られる。中国共産党中央機関紙「人民日報」は2月25日、「公正な司法 冤罪・でっち上げ・誤審事件はなくなったか」という記事を掲載し、両会の話題にスポットを当てた。(文:徐雋。人民日報より掲載) 

中国共産党の第18回大会以来、冤罪・でっち上げ・誤審事件の名誉回復に関するメディア報道が増えた。過去1年だけで、少なくとも12件の重大事件の誤りがただされた。内蒙古自治区では19年前、呼格吉勒図という若者が強姦殺人の罪に問われて死刑判決を受け、刑が執行された。だが2005年、趙志紅という人物が逮捕後、強姦殺人の犯人は自分だと告白したことで、一つの事件に2人の犯人が現れた状況の行方が庶民の注目の的となった。昨年12月、内蒙古自治区の高級法院(高裁)が再調査と再審理の結果、「事実がはっきりせず、証拠が不足している」として呼格吉勒図の無罪を認定した。呼格吉勒図の家族は、200万元(1元は約19円)余りの国家賠償金を受け取った。2013年の中国人の平均賃金で計算すれば、40年分の賃金に相当する。 

専門家はこの判決について、推定無罪の理念が中国の司法の実践において勝利した結果であり、中国の司法機関が「実事求是」(事実に基づいて真実を追求する)という態度を貫き、間違いをただす勇気を持つことも示したと指摘する。 

一連の判決のやり直しは、中国共産党が打ち出した「法による国家統治」の方針とも深くかかわっている。「法治」は、2012年の第18回党大会で国政運営の「基本方式」として確立された。2014年の中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議(四中全会)では、法による国家統治を中央委員200人余りが議論し、「決定」を全会一致で採択し、中国の完全な意味での法治国家実現を図った。中国共産党指導者の習近平氏は多くの場で「憲法による国家統治」を強調し、司法活動の指導方針として「民衆があらゆる司法事件で公平・正義を感じられるよう努める」ことを打ち出した。 

中国の裁判機関や検察機関はこれを受け、改革を強力に推進する措置を取ってきた。例えば、地方の勢力による司法の公正への介入を防止するために、省級以下の法院や検察院の人事や経費保障の権限は省級機関にまとめられている。事件処理の権限と責任が法官と検察官にあることが明確化され、冤罪・でっち上げ・誤審事件の責任は終身で追及することとされた。最高人民法院は地方に2つの巡回法庭を派遣し、行政区分を超えた法院も増設された。 

中国では現在、近年下された判決については、インターネットで判決書を閲覧することができる。中国の法院判決データベースは世界最大規模に達している。違法に取られた証拠は無効とするなど世界の多くの国で実行されている措置の実現も進んでいる。 中国西南部の山間部から来た王明雯・全人代代表は、「法による国家統治というモデルは、国家の長期で安定した統治と人々の暮らし・仕事の安心を支えるものだ。司法の公正に対する人々の信頼は高い」と語っている。(編集MA) 

 

「人民網日本語版」2015年3月2日

 

 

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