国際問題の重視、両会の「常態」に

 

世界では現在、中国を国際舞台の中心とし、各地のさまざまな観点を示すことが流行している。同時に多くの中国人が世界を真剣に観察・研究し、「中国のアングル」によって世界に対する観点を示している。

毎年3月に中国の動向を決める重要な政治舞台「両会」(全国人民代表大会、全国政治協商会議)において、これは顕著に示されている。観測筋は、中国の経済・社会の発展に関する議論のほか、国際的な議題が両会に占める比重が近年高まっていることに注目を集めている。

昨年の両会では、交信の途絶えたマレーシア航空の旅客機が、委員らの注目を集めた。李克強総理、王毅外相は記者会見で、救助の問題について触れた。また2011年の両会の会期中には、日本で大地震と津波が発生し、多くの死傷者が出た。委員らは真っ先に哀悼の意を表し、中国が積極的に救助に乗り出すことを表明した。

政府工作報告は、中国の対外活動に関する論述を行う。多くの注目される問題が、両会の重要な議題になる。これには中米関係、中ロ関係、中日関係、それから中国と周辺諸国、開発途上国、国際機関との関係が含まれる。

安倍政権はこのほど動きを活発化させている。日本の右翼は第二次大戦の歴史を否定している。全国政治協商会議の尹卓委員は、安倍政権の軍拡の動向に警戒し、その歴史修正を防ぐべきと表明した。

中国人民大学国際関係学院の金燦栄教授は、中国の外交の動向と世界の問題に注目することが、すでに両会の「常態」になっていると指摘した。中国の外交の国際舞台における影響力の拡大、新指導部全体の外交の「向上心」により、国際的な議題と中国に関連する問題が、今年の両会の大きな見所になる。

国際的な議題が注目されているのは、中国と世界との関係に深い変化が生じているからだ。2014年11月下旬、中国共産党第十八次全国代表大会後で初となった中央外事工作会議で、習近平国家主席は、「中国の世界に対する依存、国際事業に対する参与が深化を続けている。世界の中国に対する依存、中国に対する影響も深化を続けている」と指摘した。

中国国際問題研究所の阮宗沢副所長は、「中国はすでに、至る所に進出している。各国は、現在の世界的に重要な出来事に関する、中国の声を聞こうとしている」と述べた。

アナリストは、中国が国内で直面している難題を解消するためには、国際環境を加え総合的に検討する必要があると主張した。

阮副所長は、「閉鎖的な中国が、自国の問題を解決できるはずがない。改革開放から30数年に渡る経験は、中国の問題をさらなる開放の中に置き解決策を模索し、自国の発展と世界を結びつける機会になる」と話した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年3月3日

 

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