中国が両会の会期に突入、改革が今年もテーマに

 

3月3日から3月15日まで、中国は再び全国両会(全国人民代表大会、全国政治協商会議)の会期となる。中央政府の約1年間に渡る集中的な発言、政府部門および民間シンクタンクの高頻度の提案、特に多くの国民の強い期待から見ると、「改革」が今年も両会の「テーマ」になることは間違いない。

中国共産党第十一期中央委員会第三回全体会議の開幕以来、中国は改革の戦いの道を36年間歩み続けてきた。改革は中国の経済発展の巨大な潜在力を引き出した。国民経済が高度成長し、総合的な国力が大幅に強化され、国民生活・福祉が目覚ましい改善を実現した。中国は一躍、世界2位の経済体、世界最大の工業製品輸出国になった。1人平均のGDPは、中所得国の仲間入りを果たした。

しかし2008年を境とし、世界経済は深いレベルの調整期に入った。中国経済は国際市場の疲弊、国内の一連の構造問題による二重の圧力を受けた。かつて世界の注目を集めた2桁台の成長が、ピリオドを打たれた。成長率低下、デフレ再発、矛盾の表面化が重なり、中南米諸国が陥った「中所得国の罠」が目の前に迫っていると予想されたほどだ。

今年は第12次五カ年計画(2011−2015年)の最終年であり、第13次五カ年計画(2016−2020年)の制定の年でもある。中国が今後数年内に経済・社会・政府のモデルチェンジを完了できるかは、中所得国の罠を飛び越え、2020年に全面的に小康社会を建設するという目標を実現し、中華民族の偉大なる復興を順調に推進できるかに関連する問題だ。これは改革が特に重視される根本的な理由でもある。

当初の改革と異なり、新たな改革は当時よりも強い抵抗、より複雑な局面に直面しており、共通認識と理想、力と知恵を再び集める必要がある。改革はより良い発展を目的としている。発展は全国民の豊かで快適で尊厳ある生活、そして中華民族の子々孫々の長期的な利益を目的としている。中国共産党第十八次全国代表大会より進められてきた政府改革は、力強く汚職を取り締まり、制度の制定を推進し、法治国を建設するための一連の措置である。これによって中央政府は改革推進の決意と力を人々に示し、すでに多くの国民の信頼と称賛を勝ち取っており、さらなる改革の深化に向け地ならしをした。

改革は時勢を判断し、率先して模範を示すほか、国民の訴えを理解しこれに反応しなければならない。社会の公平と正義の促進、十分な雇用、革新・創業、青い空と水の再現にとって有利な改革は、国民が長く待ち望んでいたものである。これは改革の出発点・立脚点となるべきだ。この意義から論じると、改革は現在の中国にとって最大の民意であり、多くの国民にとっての最大の福祉である。

一年に一度の両会は、委員が職責を尽くし、政治に参加し議論する会議であり、かつ全国民が国家の大計に参与し、願いを訴えるための制度化された手段でもある。中央政府の改革に対する決意と方針、民意の訴えと期待は、力強い国家的意志を形成しつつある。この意志が今年の両会の会場で、委員らが全面的な改革の深化を推進・徹底するための良策になることに期待できる。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年3月3日

 

 

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