東北振興に焦点――吉林省代表団メディア公開日に密着

 

3月6日午後、北京の金台飯店ホテルで吉林省代表団が初のメディア公開日を実施した。

この日、代表審議の開始以前に会議場には30社を超える内外メディアから60人以上の記者が詰めかけており、そこには日本の共同通信社、フジテレビなどの姿もあった。

会議ではまず各市・自治州の代表が政府活動報告についての考えを大いに語った。各代表の発言はみな東北の「老工業基地」(かつて素材、エネルギーなど基幹産業の大型国有企業が立地し中国経済をリードした工業基地)の振興について、難題の解決、道筋の探求、優位性の発揮などの面から語るものだった。

審議が終わると、荀鳳棲代表団副団長がメディア公開のスタートを宣言したが、その言葉が終わるや否や記者がわれ先に質問の挙手をした。

新華社の記者からは、現在東北の老工業基地の発展は困難に直面しており、多くの人が「新東北現象」と呼んでいる。吉林省は多くの発展の優位性を持つが、いかにそれらを利用し、困難な状況から上昇に踏み出していくのかという質問が出た。

これに対して、第12期全国人民代表大会代表で吉林省党委員会書記のバインチョウル(巴音朝魯)氏は次のように答えた。改革開放特に中央が東北振興戦略を実施して以来、吉林省の発展は大きな成果を得た。GDPは2003年の2600億元から昨年には1兆3800億元となった。しかし、吉林省はまだ老工業基地の体制性、構造性の矛盾から完全に抜け出しきれてはおらず、必ずより一層改革を深化させ、発展を加速しなければならない。

バインチョウル書記は、吉林省の将来の発展には国家の重要穀物基地であるという特徴を突出させ、農業の現代化と新型都市化を推進する上で、吉林省の国境や海に臨する優位性を発揮し、生態資源の優位性などの分野での突出に力を入れるべきだ。全力で自動車、石油化学、農産品加工という三本柱である産業の振興プロセスを推し進める。

「みさなんが吉林にいらっしゃり、吉林を知り、吉林を理解し、吉林を感じることを歓迎します。吉林はとても美しく、色彩が入り混じります。黄金色の穀倉地帯があり、黒い沃土、青い空、緑の森林があります」と、同書記は記者たちに熱く語りかけた。

また、第12期全国人民代表大会代表で吉林省省長の蒋超良氏は質問に答えて、吉林省の将来の重点的活動について三つのポイントを挙げた。第一に民用宇宙産業の発展であり、「吉林1号」衛星が今年下半期に打ち上げ予定となっている。次にオイルシェールの開発利用をしっかり行うことであり、クリーンエネルギー産業コロニーを形成していく。3番目は長春軌道客車公司によって、ハイエンド設備製造産業コロニーを形成することである。

続く記者から質問の多くも吉林省がいかに立ち遅れた生産能力を淘汰し、産業のグレードアップを実現し、自らの発展の道を歩むのかというものだった。誰もが吉林省の発展・振興に関心を寄せていることを表していた。

吉林省は中国東北部の中部に位置し、日本やロシア、北朝鮮、韓国、モンゴルと中国東北部から成る東北アジアの中心地帯にあって、面積は18万7400平方㌔、人口2746万人。2014年のGDP成長率は6.5%で、全国平均の7.4%を若干下回っている。(文=張雪)

 

人民中国インターネット版 2015年3月8日

 

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