「村山談話の会」、精神の継承こそ友好と和解への第一歩

 

9日より中国を訪問中の「村山首相談話を継承し発展させる会」(以下「村山談話の会」)訪中代表団は、10日北京で、「安倍首相は侵略と植民地支配に反省し、お詫びするという村山談話の精神を引き継ぐことこそ、日中の友好と和解への第一歩だ」と訴えている。

日本では、安倍晋三首相が終戦70周年を迎える今年の夏に、談話を発表する予定ですが、その中で、日本軍国主義によるアジア侵略と植民地支配の歴史を痛切に反省する村山談話の精神がどのように受け継がれるのか、内外から注目が高まっています。「村山首相談話を継承し発展させる会」はこうした中で、今回の訪中代表団を派遣した。

訪問団は大学教授、元外交官、ジャーナリスト、市民運動家の11人からなっている。9日に北京入りし、13日に上海から帰国します。滞在期間中、北京、南京で戦争の跡地を訪ねるほか、中国の学者との座談会も予定されている。

10日朝、一行は日本による中国への侵略戦争が全面的に勃発した地、盧溝橋を訪れた。宛平城にある「中国人民抗日戦争記念館」は夏に向けてのリニューアルのため、見学はできなかったが、800年余りの歴史がある盧溝橋の上を、団員たちはゆったりと歴史を思い出しながら散策した。

団長の鎌倉孝夫さん(村山首相談話の会・共同代表、埼玉大学名誉教授)は、「村山談話は、戦後、日本の歴代政府の基本的な考え方が集約されている。安倍内閣の下でそれを継承すると言葉で言いながら、内容的に継承しないような方向に行きかねない。これを阻止したい」と思いを語った。

去年11月、中国の習近平国家主席と日本の安倍晋三首相は2年半ぶりに握手した。2012年秋から膠着状態が続いてきた中日関係はその勢いに乗って、本格的な改善に向けて動き出すことができるか、夏に発表する予定の安倍首相談話がその方向に大きな影響を及ぼすと見られている。これについて、訪問団の浅井基文副団長は、「去年中日間で達成した4点の合意の精神と原則が試され、日中関係は前進か後退の境目に立つだろう」という見方を示している。

一方、国際関係では、第二世界大戦終了から70年の2015年は、10月に国連改革も予定されている。中日関係の行く末は、これからの世界情勢の変化にも通じる動きだと見られている。中日両国は、この節目の年を乗り越える上で、何が大切なのか。代表団秘書長の藤田高景さんは、「安倍首相が過去の歴史を忘れずに、過去の侵略と植民地支配にしっかりと反省してお詫びするという、村山談話の最も大切な部分を引き継ぐことこそ、日本と中国、日本とアジアの友好と和解を作っていく第一歩だ」と強調した。

10日午後、訪中団団員と中国の関係者が出席した「歴史を直視し、未来に向かう」をテーマとした座談会が開かれた。会に出席した中国社会科学院日本研究所の高洪副所長は今年の両国関係について「2015年は、中日関係にとって複雑な背景がある年だ。中でも、年始めの動きが大事だ。言い換えれば、上半期、歴史問題を的確に対処できるどうかにかかっている。的確に対処できた場合、双方の相互信頼が強まり、他の部分の関係も初めて前進できる」という見方を示している。高洪副所長はさらに、「村山談話の会の皆さんは、複雑な政治環境の下、村山談話の原則と精神を堅持し、複雑で、変化の多い中日関係にポジティブなエネルギーを提供した。両国関係の改善に突破口を見つけ出そうとする皆さんの努力ぶりを評価したい」と代表団訪中の意義を話した。

「村山談話の会」は日本軍国主義によるアジア諸国への侵略と植民地支配に対する反省の念を表明した「村山談話」の意義を継承し発展させるために、2013年11月に、日本の政治状況に危機感を抱く多くの学者・文化人・大学教授・元外交官・ジャーナリスト・市民運動家が集まって、結成された。

訪中団一行は11日から南京、上海を訪れて、13日に帰国する予定である。

 

中国国際放送局日本語版 2015年3月11日

 

 
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