陳国鷹・河北省環境保護庁庁長「厳格な法執行は環境保護推進の最も有効なアプローチ」

 

現在、毎月発表される全国74都市の大気質ランキングで、ワースト10のうち6~7都市が河北省の都市だということがよくある。これは河北省環境保護庁の庁長である陳国鷹氏にとってきわめて大きなプレッシャーであり、そのせいで陳氏は両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)期間中メディアに追われる存在となった。

陳氏は、まさにこうしたさまざまなプレッシャーのおかげで河北省は汚染対策面で原動力と決意にあふれている、とした上で、「筋骨を傷めたとしても、環境の徹底的な改善を成し遂げる。一時のGDPと財政収入を犠牲にしても、断固として環境対策の戦いに打ち勝つ」と述べた。

昨年、河北省の年間経済成長率は確かに6.5%に下がり、目標を1.5ポイント前後下回ったが、石炭消費は1500万トン減と、初めてマイナス成長を実現し、大気質が重度汚染以上だった日数は14日減った。

陳氏は、「産業構造と特殊な地理的位置の関係で、河北省環境対策の任務は重く、難度も高い。以前は企業の不法排出やデータ偽造が比較的普通に行われ、政府の関連管理監督部門は違法行為に対して見て見ぬふりをし、何も手を打たなかったため、環境保護法違反が常態化していた」と率直に語る。

陳氏の考えでは、厳格な法執行こそが環境保護推進の最も有効なアプローチである。「非常にすばらしい」新環境保護法の助けを借りて、河北省は今後活動の重心を設備改造中心の「製造工程からの排出量削減」から法執行監督を強化した「環境からの排出量削減」へと移し、汚染企業を違反日数に応じて罰すると同時に、環境監督管理で何もしない、みだりに手を打つといった状況や、職務上の怠慢や汚職を厳しく取り締っていく。

新環境保護法が2015年初めに施行されて以来、河北省全体の環境保護部門は一月と二月の二カ月間で環境関連の通報を計2588件受け付け、環境犯罪容疑者285人を捕え、環境法に違反し治安に影響する事件343件を取り締まり、環境法違反者423人を処分し、汚水排出基準を超えた企業15社を公開で調査・処分し、要求通り改めない企業に対しては違反日数に応じて処罰を行った。

北京・天津・河北省の三地域の環境汚染抑制連携について話が及ぶと、陳氏は「すでに清華大学、中国環境科学院と共同で全国初の踏み込んだ対策案を練り上げ、今後3年の具体的な大气汚染対策行動を詳細に計画した」と明かにした。陳氏は、北京・天津・河北省一体化の推進には、生態環境先行を堅持し、できるだけ早く三地域の排出基準と監督管理法執行を統一するべきだと考えている。

しかし同時に陳氏は、地域的な総合対策を実現するには、まず河北省自身の汚染源を減らすことが必要で、そのために今後1年で消費総量の減少、クリーン・コール、企業設備改造など八大石炭削減プロジェクトを強化すると同時に、産業構造調整を引き続き推進すべきだとも考えている。

陳氏はまた、国として環境保護委員会と事務局を設置し、各管理部門の職責を明確化し、責任追究制度を設け、厳密な大環境保護体系を作って、全方位的に新環境保護法を運用していくべきであると提言した。(北京週報 鄭陽)

 

 

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