陳舟少将:今年の国防予算について

 

 

過度の解説は不必要

――一部の海外メディアは、中国の国防費増加は地域の軍事競争を引き起こすと報じていますが?

 陳 そうした懸念はまったく不必要だ。まず、世界各国は自国の安全を守るために国防力を維持している。これが普通の国だ。中国人民解放軍は目下、機械化、情報化の複合的な発展と軍隊の体制改革深化の鍵を握る時期であり、軍隊が人材を吸収し、育成するためにはある程度の財力と物質的な保障が必要だ。これも時代の要請だ。

 次に、長年にわたる事実が証明しているように、中国の軍隊は平和維持勢力であり、われわれが出国するのはすべて、国連から与えられた国際任務に参加するためである。中国の軍事的な実力の向上は地域と世界の平和に寄与している。

第3に、軍備競争という言い方は不正確で、軍事技術上の競争と言うべきだ。こうした競争は国際社会に普遍的に存在している。それは人類の軍事技術の発展の現れであるのみならず、国防科学技術を不断に前進させている。

 従って、中国の国防費増加に対して、驚いたり不思議がる必要はなく、過度の解説は必要ない。

――どうすれば国際社会に中国の国防力の発展を正確に理解してもらえると思いますか?

陳 二つの面で努力する必要があると思う。まず、冷戦思考の色メガネで中国の国防力整備を見ないことだ。現在、世界はすでに「冷戦時代」を脱し、協力・ウインウインが時代の潮流になっており、これに従うために、われわれは開放的、協力的で寛容な態度で互いに対応すべきである。互いに腹を探り、抵抗し、ひいてはさんざんけなす態度では、事態はますますまずくなり、最終的には、当事者が時代から淘汰されてしまうだけだ。

 第2に、コミュニケーションを強化し、交流から、透明さが生まれてくる。中国の軍隊は「走出去(海外に出て行く)」ことにさらに力を入れるべきだ。外国、外国軍隊とより広く、より密接なつながりをつくり、人的往來、技術・情報交流を強化し、協力プロジェクトを展開すべきだ。相互理解してこそ、はじめて相互信頼が増し、誤解を減らし、誤った判断を避けることができる。

 日本の防衛省か、防衛庁の時から、私は何度も中日軍事交流に参加してきた。当時、双方のコミュニケーションは比較的に順調で、互いにコンセンサスを簡単に達成することができた。しかし、近年、中日関係が複雑な局面に置かれ、両国の軍事交流はほぼとぎれた。しばらく前に、中日間では「海空連絡メカニズム」をできるだけ速くスタートさせようというコンセンサスが達成された。これは非常に必要だと思っている。双方の海と空の安全問題の協議進展には有利で、危機を防止することができる。

 

人民中国インターネット版 2015年3月15日

 

   <<   1   2  

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850