日本の「つくる会」はいかに歴史をねじ曲げているか

 

 

▽歴史の書き換えを目論む日本右翼

「日本社会の保守化と右傾化に伴い、日本は、歴史上の自らの暗い過去を隠そうと必死になってきた。なぜならこの過去は、日本の右翼勢力が主張する大和民族優秀論と矛盾するからだ」と藍氏は語る。

教科書の中から戦争の罪の記述を取り除こうとする日本政府の行動は、1980年代から始まった。日本文部省は1982年6月の教科書検定で、日本が中国侵略戦争を幾度も行ったという史実の記述に注文をつけ、「華北侵略」を「華北進出」と修正したとして批判の的となった。2カ月後、国際世論の圧力を受け、当時の内閣の閣僚はこれを「訂正」する声明を出した。

だが藍氏によると、日本の一部の右翼メディアは現在になっても、この「侵略」にかかわる記述の変更が行われたことを認めていない。

21世紀に入ってから、日本の教科書問題は悪化している。最も注目されるのは、「新しい歴史教科書をつくる会」によって編纂された歴史教科書である。

この右翼団体の教科書は皇国史観を信奉し、殖民統治と侵略戦争を行った責任を根本から否定し、「太平洋戦争」を「自存自衛」「アジアの解放」「大東亜共栄圏の建設」のために行った「正義の戦争」と標榜している。2001年4月、この教科書は文部科学省の検定を通過した。その後、4年ごとに行われる教科書検定で、この教科書には何度も「青信号」が出されてきた。

藍氏によると、「つくる会」が2013年3月に出版した「新歴史教科書」は、「大東亜戦争」という言葉によって「太平洋戦争」を美化している上に、中国侵略戦争を「支那事変」の蔑称で呼び変え、盧溝橋事件(七七事変)の原因を日本軍が銃撃されたからだとしている。また「満州国は五族協和や王道楽土の建設をスローガンとしていた」などと中国の東北地域における日本の殖民統治を美化している。さらに南京大虐殺を「南京事件」と呼び、被害者の人数などには「論争がある」としている。この右翼の色彩の強い教科書はいくつかの地方政府の公立学校で採用されているものの、2001年に打ち出された時には学校での販売数は数百冊にすぎなかった。だが学校での採用率は高まり、2011年には4%に達した。さらに市場での販売数は驚くべきもので、2001年は70万冊余りを売り上げた。

 「新しい歴史教科書をつくる会」は1996年に発足し、その右傾した観点は日本の政界の多くの人の支持を集めているだけでなく、大企業の人物や新興宗教団体からも支持されている。藍氏によると、現在の日本の右翼勢力の中では、右翼宗教団体が勢力を増している。信者の寄付を受けて豊富な財力を持つこうした宗教団体は、「つくる会」の教科書の普及に大きな役割を果たしている。(編集MA)

 

 「人民網日本語版」2015年4月9日

 

 

   <<   1   2  

 
人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850