習近平国家主席がロシアの戦勝70周年式典に出席へ 3カ国歴訪も

 

発展戦略のドッキングと共同建設

習主席はカザフスタン訪問中の2013年9月、「シルクロード経済ベルト」の共同建設を初めて打ち出した。この呼びかけは1年余りを経て、ますます多くの沿線国の積極的な賛同を得つつある。ロシア・ベラルーシ・カザフスタンは、シルクロード経済ベルト建設の重要な協力国であり、ロシアのプーチン大統領とベラルーシのルカシェンコ大統領、カザフスタンのナザルバエフ大統領はいずれも、この構想への支持をはっきりと表明している。

ロシアとカザフスタンはすでにアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加している。また中国とベラルーシは2014年、シルクロード経済ベルトの共同建設に関する協力議定書に調印している。中国社会科学院のロシア問題専門家の孫壮志氏は、「シルクロード経済ベルトの建設は、中国と3カ国との協力深化にとっての新たな契機となる。また地域の経済協力にも新たな形を与え、協力の互恵性と戦略性を高めるものとなる」と指摘する。

ロシア・ベラルーシ・カザフスタンは、シルクロード経済ベルトの相互連結を実現するために重要な意義を持つ沿線国である。「渝新欧鉄道」(重慶・新疆・欧州)と「義新欧鉄道」(義烏・新疆・欧州)など中国・欧州間の鉄道の多くは、中国から3カ国を通過し、西欧に到達する。相互連結の推進は、ユーラシア大陸の内陸部の海外進出を促し、経済の最も活発なアジア太平洋地域との交流・協力を進める役割を果たす。

シルクロード経済ベルトの建設は、地域産業の移転とアップグレードを加速し、より密切な産業協力チェーンを形成するものともなる。中国の元駐ベラルーシ大使である魯桂成氏によると、習主席の今回の訪問では、中国・ベラルーシ工業パークがシルクロード経済ベルト建設の旗艦プロジェクトとして位置付けられることとなる。

中国のシルクロード経済ベルト建設の呼びかけは、開放性・自発性・公開性の原則に基づき、関係各方面の利益と満足に配慮し、各国の発展戦略の有効なドッキングを求めるものとなる。中国駐カザフスタン大使の張漢暉氏は、「カザフスタンが打ち出す『ヌルリ・ジョーリ』(光明の道)計画はシルクロード経済ベルト構想とはからずも一致しており、自発的なドッキングと言える」と指摘する。

シルクロード経済ベルトの建設は、ロシアが主導するユーラシア大通路の建設と欧州・アジアの経済一体化プロセスと矛盾せず、互いに補い合うものとなる。ロシア現代発展学院財経研究室のマスレニコフ氏はこれについて、「ロシアは土地が広く、地理環境が複雑で、交通インフラが比較的古く、ロシア経済の発展と構造転換は大きく制約されている。ロシアが呼びかけるユーラシア大通路の建設の目的は、国内のインフラ改善にある。シルクロード経済ベルトは、ロシアの極東地区のインフラ建設に有利となる。ロシアは、この枠組みの下での協力を中国と強化する必要がある」と指摘する。

李自国氏は、「中国とロシアの双方は、シルクロード経済ベルトの建設とユーラシア大通路の建設、ユーラシア経済連合とのドッキングの推進に努め、国際的な交通インフラ建設を加速する必要がある。また製薬・化工・木材加工などの分野でも共同生産を進めるべきだ」と語る。

開放的で全面的な経済協力のプラットフォームとして、シルクロード経済ベルトは、ユーラシア経済連合とアジア太平洋経済圏をつなぐ架け橋となり、欧州・アジアの経済一体化プロセスに新たな活力を注ぎ込む役割を果たす見込みだ。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年5月5日

 

 

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