1カ月後に発表される「安倍談話」、その内容はどうなるか?

 

2015年は世界反ファシズム戦争勝利・中国人民抗日戦争勝利70周年だ。日本の安倍晋三首相が約1カ月後に発表する、戦後70年談話が注目されている。

「安倍談話」が発表される日が近づくにつれ、歴史を直視し戦争の罪について謝罪するよう求める声が、国際社会で高まっている。慰安婦の被害者、世界的に有名な歴史学者、民間団体、各国の高官、各界の関係者は安倍首相に対して、日本政府を代表し十分かつ明確に、正式に謝罪するよう呼びかけている。

安倍首相はこれまでに、テレビ番組に出演した際に、「歴史認識は(村山談話などの)基本的な観点を継承する。継承するのだから、内容を改める必要はない」と述べた。これは安倍首相が、戦後70年談話に「植民地支配と侵略」、「謝罪」などの表現を盛り込むことに否定的であったことを意味している。

記者の調べによると、安倍首相は今年4月の2回の演説の中で、先の大戦の「謝罪」について触れておらず、「深い反省」を表明するに留まった。これは世界の世論から批判を浴びた。

朝日新聞は2月、安倍首相が今年発表する戦後70年首相談話に関する世論調査を行った。回答者の52%は、日本政府が50周年・60周年の談話の内容を継承し、「植民地支配と侵略」、「深い反省」、「心からのおわび」などの表現を加えるべきだとした。

自民党総務会長の二階俊博氏は、「日本政府は各政党の意見を聞き取り、各党との調整に取り組むことが当然だ。談話は世界各国から注目される。出来る限り多くの人と意見を一致させるよう努力するべきだ」と指摘した。

村山富市氏は、安倍首相の「村山談話を全体的に継承する」という発言について、「継承するならば、新たな談話の中で率直に表現し、国際社会の懸念と誤解を払拭することが重要だ」と表明した。安倍首相は新たな談話の中で、村山談話で使用された「侵略」などの表現を用いることに消極的な態度を持っている。村山氏は、旧日本軍が中国を侵略し、韓国を36年間に渡り植民地支配した歴史の事実を否定することはできないと指摘した。

安倍首相はこれまでの演説で、「戦争への反省」を表明したが、真相を覆い隠そうとする意図がはっきり示されている。日本問題専門家の任景国氏は、「歴史問題を巡り、安倍首相は反省したかと思えば、過去の戦争の侵略性について言葉を濁している。安倍首相は70周年という歴史の節目に安倍談話を発表しようとしているが、村山談話を継承すると言いながら、そのまま継承することはないと強くほのめかしている。彼の腹積もりは、全世界がお見通しだ。『深い反省』という一言で、人々の懸念を払拭し、うやむやにすることができようか」と述べた。

中国社会科学院日本研究所副所長の高洪氏は、「戦後70年談話が『反省』を表明するだけで『謝罪』しようとしなければ、中韓などの被害国から受け入れられ、認められることは難しい。これが続けば、歴史認識問題は依然として中日の間に横たわり、徹底的に解消されることはない」と懸念した。

日本の有名作家、半藤一利氏は人民日報の取材に応じた際に、「安倍首相は『侵略』、『植民地支配』、『謝罪』などの表現を戦後70年談話に盛り込むべきだ。日本政府は毎日、すでに反省したのだから再び謝罪する必要はないと称しているが、日本に侵略された国から理解されていない。これは日本が実際には、まったく反省していないからだ」と指摘した。

任氏は、「安倍首相は『積極的平和主義』を何度も強調しているが、これが『アベノドリーム』の美しい飾りでないことを願うばかりだ。日本を含む国際社会の平和を愛する人々が、安倍首相を警戒しているのも事実だ。我々は安倍首相の発言を聞くほか、行動を見ることが重要だ」と述べた。

ロシア人民友好大学教授のタブロフスキー氏も、「安倍首相と安倍内閣は近年、侵略の歴史を深く反省していないばかりか、より野放図になっている。日本の政治・軍事面の過激な行為を強く警戒し、第二次大戦の勝利の成果を守ることは、国際社会の共同の責任だ」と話した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年7月14日

 
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