中国侵略日本軍陸軍大将の孫「日本は許してもらえるまで謝罪すべき」

 

抗日戦争勝利70周年のこの年、侵略戦争に参戦した陸軍大将・阿南惟幾(あなんこれちか)を祖父にもつ劇作家の佐藤信氏は、重慶寅子小劇場を訪れ、舞台劇の指導を行っていた。佐藤氏は取材に対し、日本は中国侵略戦争に対して、「許してもらえるまで謝罪すべきだ」と述べた。佐藤氏は舞台劇を通じた交流を謝罪の一つの方法と捉えており、文化の力で中日双方の友好を増進させ、中国国民が戦場で味わった苦しみを癒したいと考えている。新華網が伝えた。

日本は中国侵略戦争に対して、許してもらえるまで謝罪すべき

72歳になる佐藤信氏は、黒いヘアバンドをつけて緊張感が張り詰めた重慶寅子小劇場の舞台で20人あまりの若い役者を指導していた。戦時中、日本軍により6年間にわたり爆撃を受けた街、重慶を訪れるのはこれが初めてだという。

「終戦時私は2歳で、戦争に対する直接的な記憶というのはない」と佐藤氏。侵略戦争に関する詳細は中学校の歴史教科書で学んだ。佐藤氏の母方の祖父、阿南惟幾は、抗日戦争史上有名な「長沙会戦」で日本軍の指揮官を務め、日本の敗戦後自決した。佐藤氏は、戦争の真相を探るため、かつて侵略戦争に参戦した高齢者を訪ねまわったこともあるという。「彼らは皆当時の戦争を悔いており、慙愧に堪えない思いでいる。しかもその多くが謝りたいという無念の思いを残してこの世を去った」と佐藤氏は語る。

「今年はちょうど戦後70周年であり、皆さんを通じて中国人に謝りたい。これは私一人ではなく、そうした謝りたくても機会がなく死んでいった人たちを代表して」。「私たちは歴史を顧み、反省し、過去の過ちに対して明確に謝罪すべきであり、私たちの世代の人は、生きている間に相手の許しを請う必要がある。そうでないと次の世代もまた謝罪し続けなければならなくなる」と厳しい面持ちで語った。

戦争の罪をあやふやにする現行の教育

近年、日本は様々な方法で歴史を美化し、第2次大戦中の侵略行為をあやふやにし、原爆の被害者であることばかりをクローズアップしている。佐藤氏は、それは自分たちだけが被害者だという誤った方向に国民を導くことになり、戦争が如何にして始まったのかを忘れてしまうことになると考える。

佐藤氏は、「私が5、6歳の頃は、日本の侵略戦争について先生も教科書も比較的詳細に学生に伝えるが、今はその内容が粗いことが多く、先生も多くは語らず、子どもたちもよく分かっていない」という。

「私はいつも、人々はなぜ戦争において自分の良心に背くようなことをするのか考えてきた。そうした人間の心理を深く捉え、芸術の形で表現したい」。「舞台劇の創作を通じ、子どもたちに先生が教えない歴史を語ってあげたい」と佐藤氏は語った。(編集IM)

 

「人民網日本語版」2015年7月23日

 

 
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