日本の政治の右傾化、中日関係に深刻な悪影響を及ぼす

 

清華大学現代国際関係研究院副院長の劉江永氏は20日、人民網強国フォーラムでネットユーザーと共に、抗戦勝利70周年を背景とする中日関係について意見交換した。劉氏は、中日関係の今後の動向は、日本政府の歴史認識に対する態度という問題を回避できないと指摘した。劉氏の発言内容の要約は下記の通り。

安倍談話、台湾を中国から切り離す

日本の安倍首相が発表した戦後70年談話は、戦争の性質について明確な表現を用いておらず、直接的な謝罪を避けたばかりか、大きく後退した。中国の台湾を、中国大陸や韓国と並列し、いわゆる「隣人」としたのだ。これは中国と台湾は別であるという印象を与えた。中日の国交正常化以来、日本の首相談話にこのような内容が盛り込まれたのは初めてのことであり、中日共同声明の関連する規定に背く。中国の台湾省は1894年の甲午戦争(日本名・日清戦争)により数十年に渡り日本の植民地になった。安倍談話はこの歴史に反省や謝意をまったく示さず、村山談話と完全に異なっている。

安倍談話、侵略戦争を美化

安倍談話は日露戦争を公然と美化し、アジアやアフリカの人々に勇気をもたらしたと称した。しかし実際には日露戦争後の1910年、日本は朝鮮半島を併呑し、植民地支配を開始した。

安倍首相は慰安婦問題についても、戦時中に多くの女性の尊厳と名誉が踏みにじられたとし、日本が侵略戦争中に慰安婦を強制連行したことによる被害を率直に認めず、謝意を表することもなかった。

全体的に見ると、安倍談話は村山談話の精神を継承するとしておらず、むしろ安倍首相が自らまとめた戦争について「銘記する」部分を、「今後の歴代内閣の揺るぎなき立場」としたが、これは非常に不適切だ。談話の基調を見ると、安倍談話は村山談話から大きく後退した。

中日関係の「政冷経冷」

現在の中日関係には、次の3つの特徴が見られる。

(一)近年、日本の政治が右傾化し、中日関係を後退させている。両国の経済・貿易関係も影響を受け、「政冷経冷」の局面となっている。

(二)安倍内閣の歴史認識、集団的自衛権の行使を認める安保関連法案の強行採決について、日本人がこれを不安視し、反対の声をあげている。日本が今後、平和的発展の道を歩み続けられるか否かは、中日関係に影響を及ぼす。

(三)釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題は、中日の領土・主権の認識の食い違いという現実的な問題だ。日本がこの現実を認めず、かつ係争を棚上げにするという双方のかつての合意事項を認めようとしていない。中日両国は、釣魚島の領土・主権の認識の食い違いについて、対話できない状態だ。東中国海の危機管理は両国の議事日程に上がっているが、今後いかに対立のエスカレートを防止するかは、両国が抱えている現実的な問題である。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年8月21日

 

 
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