両国人民の感情的基礎をより大切に

元中央外事弁公室副主任、人民解放軍空軍中将 陳小工

1972年に中日国交正常化後、私の父陳楚は初の駐日大使に任命された。当時、両国人民にはまだ戦争の記憶が深く刻まれていた。私の父方の祖母もあの戦争中に中国を侵略した日本軍に殺害されており、それは父の心にある消すことのできない痛みだった。このため、一方で国から与えられた外交の重責を担い、一方で日本の軍国主義に対する深い恨みを抱いて赴任する父の気持ちは、極めて複雑なものだった。しかし、父の日本での駐在期間が長くなるにつれて、彼が私たちに語る話の中で最も多いのは、日本の人民の中国に対する友好が彼にもたらした感動になっていった。彼は、中日両国人民の友好感情はとても深いもので、戦争でも消すことのできないものだとよく話した。これもまさに、われわれが善良な日本の人民と罪悪ある日本の軍国主義を区別する理由である。

習近平国家主席は以前「国の交わりは民の親しむにあり」と話し、中日人民は深い感情の基礎を持ち、両国の政治家、特に指導者はことのほか人民友好の基礎を大切にしなければならないと指摘した。同時に、中日間の貿易関係は非常に密接で、両国は世界第2、第3の経済大国として、共に手を携えて東アジアを繁栄させ、ひいては世界経済に突出した貢献をする能力を完全に有している。その過程では、両国人民も十分に平和と協力がもたらす幸福を享受できる。

われわれは、現在の中日関係には依然としていささかの問題、主に3点の問題が存在することも見なければならない。第一に、両国は歴史問題について認識の相違を有する。第二に、相手国の将来進む方向に対する見解に差異が存在する。第三に、東中国海の一部島しょの主権および海上の境界線についての係争である。これらの矛盾は客観的に存在しており、また短い時間のうちに解決できないと見るべきである。従って、これは中日双方が矛盾や問題をよくコントロールし、その影響が中日関係の恒久的で健全な発展という大局に影響しないことを求めるものだ。

歴史認識の問題に対して、日本の個別の政治的人物および一部メディアが吹聴する「皇国史観」は中国人民を傷つけ、容易に中国民衆のあの時期の歴史に対する記憶を喚起し、中日人民の友好的感情を傷つけるものだ。戦後日本は一貫して平和的発展の道を歩んできたが、日本国内にはいつも、歴史問題に誤った見解を持ち、侵略を否定さえする勢力があり、これは中国人に、日本が軍国主義の古い道を歩もうとしているという印象を容易に与える。中国と日本がお互いの未来の方向に懸念を持つ根本的な原因も歴史問題に対する認識の上にある。

昨年11月、中日は両国関係の改善について「四つの原則的共通認識」に達し、両国の指導者は多国間外交の場で対面し、中日関係はあらためて発展する良好な情勢を得たが、これはたやすいことではなく、ことのほか大切にすべきだ。中日は和すれば共に利し、闘えば共に傷つく、というのは両国有識者たちの共通認識だ。「四つの原則的共通認識」精神の順守を堅持し、実際の付き合いの中で着実に実行し、大いに発揚し、両国関係改善の勢いを保っていくよう共に努力すべきである。

私は初めて「北京─東京フォーラム」に参加するが、パネリストとして出席することを光栄に感じている。私はこのフォーラムが中日両国間に対話のプラットホームを築き、積極的な情報を発信し、中日関係の大局を擁護し、中日両国民衆に友好感情を大いに育て、両国関係の健全な発展推進に積極的役割を果たすことを希望し、第11回「北京─東京フォーラム」の成功を衷心より願うものである。

 

 

 

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