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サルを描いて30年 青島一のマニア

 

 制作中の孫増弟氏

活発に動き回り、元気いっぱいの美形のサルが一匹、紙の上に現れた。手堅い画家の微に入り細を穿つ観察力があればこそ、一つ一つの動作、表情を捉え、風格のある「孫悟空」が描き出される。

青島で最も長くサルを描いてきた画家と言えば、73歳の孫増弟氏を置いて外にいないだろう。長年の観察によって、これまでに孫氏は100枚以上のサルの山水画を描いてきた。「30年前から、休日には必ず、それ以外の日でも時間があれば動物園に遊びに行きましたよ」。動物園にはいろいろな種類の動物がたくさんいるが、サル山が一番人気を集め、大人も子供もサルを見るのが大好きで、餌をやり、じっと一挙手一投足を観察していると、彼らのこっけいなしぐさは笑いを誘い、抱腹絶倒することもある。「昔からサルの絵を描くために切磋琢磨しましたが、先ず観察することから始めましたよ」。彼は1匹のサルを観察するために10回以上、動物園に通ったそうだ。

サルには動作が活発だという特徴があり、描く時の難しさは非常に大きい。画家としての彼の眼は「カメラ」と同じでなければならない。彼らのどんな生き生きとした瞬間も見逃さずにシャッターを押すように、目の前のシーンを紙の上に描かなければならない。彼は次のように述懐していた。サルを描き始めて直ぐ成功したわけではなく、花鳥画と比べてサルの水墨画は非常に時間がかかり、筆を持つたびにためらいがあり、前に描いた絵が無駄になってしまう。何回も模索を繰り返し、サルを描く感覚が次第に身に付き、それでやっと生き生きしたイメージのサルの水墨画が誕生し、紙の上のサルが生き生きと動き出した。

孫氏はサルを描くだけでなく、祖のサルの背景の物語も心をこめて描いた。彼が意外に感じたのは、彼が非常に気に入っている『母子情深』『出行図』などを外国人も好み、シンガポールやオーストラリアで展示会を開いた際に、外国人の観客の中にはこれらの作品を買ってくれる人もいることだ。

 

 

人民中国インターネット版 2016年2月22日

 

 

 
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