代表委員が中国経済を語る、ハードランディングを否定

 

◇6.9%の成長率は上々

中国の昨年の経済成長率は6.9%で、25年ぶりに7%未満となった。経済減速はどの程度の圧力を被っているのだろうか?経済減速をどのように捉えるべきだろうか?今年も中高速を維持できるだろうか?これらの問題は自ずと、代表委員の中心的な話題となっている。

河南省科学技術庁長の張震宇委員は、「高度成長に慣れた人は、成長率の低下が快くないかもしれない。しかしこの成長率が得難いものであることと、その実際の中身を理解できれば、経済減速を大げさに驚くことはないだろう」と話す。

歴史的に見ると、成長減速は客観的な法則であり、平常心を維持する必要がある。代表委員らは、中国はすでに経済発展の新常態(ニューノーマル)に入っており、過去のような高度成長は不可能で、その必要もなければ受け入れることもできないと判断した。成長率のギアチェンジにより、モデルチェンジと構造調整の余地を残すことができる。これは「中所得国の罠」を飛び越える重要な措置であり、持続可能な発展を促す。

客観的に見ると、6.9%という成長率は上々であり、世界主要国のトップクラスとなっている。貴州省六盤水市史委員会書記の李再勇代表は、「複雑かつ深刻な国内外情勢のもと、中国の経済規模は10兆ドルを上回っている。この規模で6.9%という成長を実現できたことは、並大抵のことではない。現在の1%の成長は、10年前の2.5%の成長分に相当する。1年の経済成長の規模は、中規模の国の年間GDPに相当する」と計算した。

全面的に見ると、経済成長率は低下したが、依然として合理的な範囲内であり、かつ「金分」も高かった。張氏は、「昨年の都市部新規雇用は目標を達成し、住民の所得が着実に増加し、物価も全体的に安定した。これは中国経済が依然として合理的な範囲内にあり、健全かつ安定的であることを意味している。新常態において、我々は経済発展の質、国民の生活水準への重視を強めている。そのため十分に雇用が確保され、国民の幸福感が高まれば、経済成長率が少し高かろうが低かろうが大きな問題にはならない」と指摘した。

◇中国経済、ハードランディングの可能性はない

ITベンダー・浪潮集団董事長の孫丕恕代表は、「中国の経済減速は絶対に経済の後退を意味しておらず、ましてやハードランディングする可能性はない。当社を含む多くの新興産業が昨年、力強い発展を示し、伝統産業をけん引する効果も見られるようになった。経済・社会の発展に平坦な道はなく、常に螺旋状に上昇するスタートラインにある」と述べた。

代表委員らは、中国経済は確かに国内外の問題に直面していると判断した。国内では過剰生産能力と効果的な供給の不足、生産能力・在庫削減と安定成長、資金調達問題と財政・金融リスクの拡大といったジレンマが存在する。海外では、世界経済の回復が遅れている。問題を過小評価してはならないが、自信を揺るがすこともできない。我々は経済の持続的かつ健全な発展を維持する自信、能力、条件を持つ。

この自信は、「大国の優位性」から得られる。代表委員らは、世界2位の経済大国、世界一の製造大国・輸出大国である中国は、堅固な物的基礎、大量・高品質の要素と資源を持つ。都市部・農村部および各地の発展のバランスが乱れ、格差が生じているが、これは潜在力を秘めている。李氏は、「我々は発展中の大国にしかない高い潜在力、柔軟性、余地を持っている」と述べた。

自信は、「改革のボーナス」と「革新駆動」から得られる。孫氏は、「改革の全面的な深化は、当社のようなハイテク企業に向け、より良い市場環境を整える。当社は自社をより良く、より力強く発展させる」と語った。

能力は「調整の知恵」から得られる。党中央委員会、国務院は近年、各種リスク・課題およびマクロ調整の革新で豊富な経験を積み重ねており、選択可能な政策ツールが増えている。張氏は、「中国は一部の国のように、盲目的な金融緩和を行わない。中国の政策工具箱には、多くのツールが残されている。中国経済がハードランディングすることは絶対にない」と指摘した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月4日

 

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