小康社会を全面的に構築する「第13次5カ年計画」

 

ジョン・ロス(中国経済研究専門家)=文

新しい5カ年計画の核心的経済目標は、2020年までに国民1人あたりの所得および潜在的消費量を2010年から倍増させることである。これに関連する重要な経済数値は全てこの核心的目標をめぐって展開されるため、2010年から2020年の10年間において、中国の国内総生産(GDP)は安定した増加の維持が求められる。しかし、小康(ややゆとりのある)社会の全面的な構築は、所得と消費の目標を達成しなければならないだけでなく、教育や医療、環境といったその他の重要な領域でもさらなる進展をみせる必要がある。「第13次5カ年計画」は中国の全面的な発展にとって重要な一里塚になるだろう。

1人あたりのGDPは、平均寿命の延長や消費の拡大、健康と教育の改善など人類の目標と密接に関連している。つまり中国は、1人あたりのGDPにおける先進経済体との間の格差を縮小することによって、国民の生活水準の全面的な引き上げを実現することができるのである。平均寿命は人類の福祉において最も敏感な指標であり、この指標の変動は総合経済や社会、環境条件のプラスやマイナスの変化を直接反映する。国際的には、1人あたりのGDPの差異が国家間の平均余命の差異に与える影響率は73%といわれている。よって、1人あたりのGDPの引き上げは直接的・間接的に社会環境の改善につながる。これは「第13次5カ年計画」が国民所得の倍増目標を定めた原因であり、また、中国が比較的速い成長速度を保ち続けることの正しさのよりどころでもある。

 

人民中国インターネット版

 

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