范小建委員:2016年の貧困支援はノルマ上乗せ防止が必要

 

3月5日のグループ討論で、全国政協委員、国務院貧困支援開発指導グループ専門家諮問委員会主任の范小建氏は、政府活動報告の中の貧困支援問題について、自らの考えを語った。

范委員は「2015年に中国の貧困人口が1442万人減少したことは、非常にすばらしい成果というべきである。各級政府が貧困支援により力を入れ、的確に実行したことを反映し、明らかな効果を得たことは、「第12次5カ年計画」の貧困削減対策に円満な終局を与え、総計では1億992万人の貧困人口が救済されたことになっている」と述べた。

今年は「第13次5カ年計画(13・5)」開始の年となる。政府活動報告では、2016年に1000万人以上の農村貧困人口を貧困から脱却させるという任務の達成が示された。范委員は「この目標について、私は基本的に賛成している。思うに、この表現は積極的であり穏当でもある。一部の地方では、(設定目標の)ノルマの上乗せという問題がある。2015年は1442万人の貧困脱却を実現した。だから、今年は基準をもっと引き上げて、規模をもっと大きくするべきではないか、と考える地方政府もある。いま本当にこのような問題が起きている。この点において、政府活動報告が1000万人という目標を堅持しているのは、比較的冷静だといえる」と語った。

2015年の貧困人口の削減は、経済の下押し圧力が比較的大きな状況で実現したものである。しかし、2016年の中国経済も依然として厳しい情勢であり、特にサプライサイドの構造改革では旧式生産能力の整理が求められているため、かなりの農民の就業転換に関わってくるだろう。さらに范委員は以下のように話した。「農民の所得増加に関して、この5年間で都市と農村の所得格差は徐々に縮小しているが、実際には農民の所得の伸びは毎年小さくなっており、今年の情勢はさらに厳しい。これまで12年間連続で増加してきたため今年はプレッシャーが大きく、さらにマクロでは経済の下押しが貧困削減に与える影響もある。このような情勢の下で、数字だけを追ったノルマの上乗せは必ず防止しなければならない」(高原=文・写真)

 

人民中国インターネット版

 

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850