政府活動報告、10のデータに注目

 

◆第12次五カ年計画の最終年、世界が成果に注目

・GDPが6.9%の安定成長、サービス業が初の5割超え

2015年の国民総生産(GDP)は6.9%増の67兆7000億元に達し、成長率で世界主要経済体のトップ水準となった。そのうち食糧生産量は12年連続で増加を維持し、消費者物価指数の伸び率は低水準を維持した。特に雇用情勢は全体的に安定し、都市部新規就業者数は1312万人と通年の目標を上回り、経済運行の大きな見どころとなった。サービス業がGDPに占める比率が初めて5割を超え、経済構造調整の象徴的な進展となった。消費の経済成長に対する寄与度は66.4%に達した。ハイテク産業・設備製造業の成長率は、一般工業を上回った。単位GDP当たりのエネルギー消費量は5.6%低下した。

・新規登録企業数、毎日1万2000社増加

革新駆動型発展戦略が推進され、インターネットと各業界の融合が加速され、新興産業が高度成長を実現した。大衆創業・万衆革新の力強い発展により、通年の新規登録企業数の増加率が21.6%に達し、1日当たり1万2000社増となった。新たな原動力が雇用安定、アップグレード促進の大きな力を発揮し、経済・社会の深い変革を促している。第13次五カ年計画期間(2016−20年)の科学技術の経済成長への寄与度を60%とし、大衆創業・万衆革新駆動型発展戦略を実施し、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、モノのインターネットの普及を促進する。2020年までにGDPに占める研究開発費の比率を2.5%とし、科学技術の進歩の経済成長への寄与度を60%とし、革新型国家、人材強国の仲間入りを果たす。

・行政のスリム化、構造改革を促進

市場の活力を引き出すため、改革開放を拡大する。構造改革の推進を続け、行政のスリム化・権限の移譲を続け、開放と管理の融合を促し、行政サービスの改革を改善する。311件の行政審査を取り消すか、職権を下部組織に移譲し、123件の職業資格許可および認定事項を取り消し、行政審査認可項目を完全に廃止する。工商登記事前審査を85%削減し、「三証合一」(営業許可証、組織機関コード証、税務登記証明書を1つの書類で手続きする登記システム)、「一照一碼」(1つの証書、1つのコード)を全面的に実施する。手続き中および事後の監督管理を強化し、公共サービスフローを改善する。外資の投資制限を半減し、95%以上に対して記録管理を実施し、開放により改革を促進する。財政・税制・金融・物価などの重点改革を推進し、中央政府の地方政府に対する財政移転支出を3分の1減らす。一般移転支出の規模を拡大する。

◆第13次五カ年計画に自信、幸先良いスタートを実現へ

・GDP、2020年に90兆元超え

産業構造の改革とアップグレードを加速し、2020年までに先進製造業、現代サービス業、戦略的新興産業の比重を大幅に高める。労働生産性を1人平均8万7000元から12万元以上とする。李克強総理は2020年までに、中国のGDPが90兆元を超え、発展の質と効果が大幅に向上すると強調した。

・都市部移住計画、都市化率を60%に

新型都市化の推進、都市部・農村部の調和的な発展により、都市部・農村部の格差を縮小する。これは経済構造調整の重点であり、発展の潜在力を引き出す鍵となる。人を中心とする新型都市化の推進を深化し、約1億人の農業移転人口とその他の常住人口を都市部に移住させ、約1億人が生活するバラック区と城中村(都市の中の農村)の改築を終え、中西部の約1億人の現地都市部への移住を促す。2020年までに常住人口の都市化率を60%に、戸籍人口の都市化率を45%にする。2020年までに食糧などの主要農産物の供給、質の安全などの保障を強化し、農業の現代化水準を大幅に高める。

・高速鉄道と高速道路の「二つの3万キロ」

インフラの相互接続を推進する。高速鉄道の総延長を3万キロとし、8割以上の大都市をカバーする。新設・改築高速道路距離を約3万キロとし、都市部・農村部のブロードバンドネットワークの全面的なカバーを実現する。

◆2016年度の取り組み内容

・CPI伸び率は3%、失業率は4.5%、GDP成長率は6.5−7%

GDP成長率は6.5−7%、CPI伸び率は3%前後、都市部新規就業者数は1000万人以上、都市部登録失業率は4.5%以内。輸出入の安定化と改善、国際収支の均衡を図り、国民の所得増加率とGDP成長率を一致させる。単位GDP当たりのエネルギー消費量を3.4%以上引き下げ、主要汚染物の排出量を削減する。

・光ファイバー普及、需要の潜在力を引き出し、発展の空間を切り開く

今年は第13次五カ年計画の重大プロジェクトを開始する。鉄道に8000億元以上、道路に1兆6500億元以上の投資を完了し、20件の重大水利プロジェクトを開始する。水力発電所、原子力発電所、超高圧送電線、スマートグリッド、油ガスパイプライン、都市部レール交通などの重大プロジェクトを建設する。中央予算内の投資額を5000億元に増額する。現代サービス業の発展を加速し、一連の光通信都市を建設し、5万の行政村の光ファイバー普及を推進し、多くの都市部・農村部住民がデジタルライフを楽しめるようにする。

・貧困扶助資金を増額、1000万人の貧困脱却を実現

貧困脱却のプロジェクトを開始する。今年は農村部の1000万人以上の貧困層の貧困脱却を完了する。うち200万人以上の貧困層を生活しやすい場に移転させ、貧困層の農家の危険家屋の改築を推進する。中央財政貧困扶助資金を43.4%増額する。貧困圏で農業関連資金の統合を推進する。正確な貧困扶助・脱却を貫き、個人と現地の状況に応じ施策する。特色ある産業の育成に力を入れ、就業と創業を支持する。

・医療補助資金を増額、都市部・農村部の基本医療保険制度を統合

医療・医療保険・医薬品の共同改革を調和的に推進する。健康は幸福の基礎だ。今年は重大疾病保険の全面的なカバーを実現する。政府は経費を拡大し、多くの患者の負担を軽減する。中央財政は都市部・農村部医療救助補助資金を9.6%増額し、160億元まかなう。都市部・農村部住民の基本医療保険制度を統合し、財政補助を1人当たり年間380元から420元に引き上げる。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月7日

 

 

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