2015年の世界二酸化炭素排出量、中国が大きく貢献

 

全国政治協商会議は3月7日、記者会見を開き、全国政治協商会議委員の解振華氏、秦大河氏、呉暁青氏、胡存智氏、白岩松氏が出席し、グリーン発展と生態環境の保護について国内外の記者の質問に答えた。

中国気候変動事務特別代表と全国政協人口資源環境委員を務める解振華氏は7日の記者会見で、二酸化炭素排出量の問題についての質問に次のように回答した。

ロイター記者:英国の2つの大学は本日発表したリポートで、中国の二酸化炭素排出量は2014年にピークに達したと指摘したが、これについての見解を伺いたい。このリポートが正しいとするなら、中国は気候変動枠組み条約の目標を調整する可能性があるのか?

解振華委員:この問題については、多くの研究機関がリポートしている。世界経済の下振れを背景に、各国で積極的な気候変動対応措置が採られている。2015年は世界的に二酸化炭素排出量が増えなかったが、それに対して大きく貢献したのは中国だというのが多くの研究機関の見方であり、統計で見ても理解できる。しかし各国の二酸化炭素排出量はその成長と直接関係があるため、中国はINDC(各国が自主的に決定する約束草案)で、2030年ごろまでに二酸化炭素排出のピークを迎えることを目標として提出した。

具体的措置は、いずれも国際的に通用するものだ。第1に、最も重要なのは省エネ、エネルギー利用効率の向上だ。省エネは、実質的には新エネルギーの導入だ。第2は、再生可能エネルギー、すなわちゼロカーボン・エネルギーの拡大だ。第3は、森林炭素吸収源の増加。第4は、経済構造、産業構造の調整で、これらの措置を通じて二酸化炭素排出量の削減を図る。

中国が提出した2030年ごろまでに二酸化炭素排出のピークを迎えるという目標は、中国の経済発展の段階と直接関係がある。中国は発展途上国であるため、工業化、都市化、農業近代化、情報化、が進行中だ。これらにはエネルギーの下支えが必要だが、エネルギー構造、産業構造の大幅な調整が必要となる。このため中国はグリーンで低炭素の循環発展を通じ、経済成長を確保しつつ、庶民の生活改善と環境保護を図り、気候変動と排出削減に積極的に対応していかねばならない。これは中国の国情に基づくピーク目標だ。2020年までに現代化と工業化の実現を目指すが、工業の排出削減はピークよりしばらく遅れる見込みだ。都市化は2025をメドとし、2030年には成長が安定に向かう見通しだ。都市化の過程では建築、交通、エネルギー消費が増加する可能性があるが、構造調整を進めれば、二酸化炭素の排出は安定に向かう可能性がある。このほか人口問題については、計画策定時に二人っ子政策をすでに勘案しており、人口増加も2030年頃に安定に向かう見通しとなっている。これらの要素を基に、我々は最終的に2030年前後のピークアウト実現目標を確定したのだ。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月7日

 

 

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850