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「三つ編み」から抱いた興味

 

塚原 かたり

三つ編み。これが、私が最初に中国人と対面したときの第一印象だった。私の在籍していた小学校では、夏休みに中国揚州市の日本語学校の子どもたちと触れ合う国際交流会があり、私は小学4年生のときに参加した。集まった中国人の子どもたちを見て、女の子が全員三つ編みをしていたことに驚いたことを、大学生になった今でもよく覚えている。

その日はまず、日本人と中国人で、お互いに挨拶の言葉を交わし、私たちは運動会で毎年踊っていた『ソーラン節』を披露、対して中国人たちは、日本語で日本の『四季の歌』を歌ってくれた。私はその時、英語でさえもあまり話せず、中国人の綺麗な日本語の歌に聞き入り、当時の私は冬が好きだったため、「心広き人」という歌詞が一層心に沁みた。その後、私たちは交流生と一緒にプールで遊んだ。言葉は通じなかったが、みんなで水をかけ合ったり泳いだりした。その場では日本人も中国人も関係なかった。みんな同い年くらいの子どもだった。すぐに仲良くなれた私たちは、プールでの遊びを満喫し、その後の昼食も一緒に食べ、交流会を終えた。小学生の時に交流した中国人とは、言葉が通じてないため名前も知らず、SNSも発達していなかったため、その日限りの交流となったが、一日だけでもその子どもたちと同じ時を過ごし、友達になれた経験は印象に残っている出来事である。

時を経て、高校生になり、世界史の授業で中国史を学習した。辮髪など、中国人の髪型について学び、三つ編みだった中国人の子どもたちのことを思い出した。その他に、紫禁城や万里の長城などの歴史的建造物に触れ、中国に行って実際に見たいと思った。

その後、私は大学に入学した。そこで、中国人留学生と出会い、友達になった。その友人の髪は長いが、三つ編みはしていない。ステレオタイプが崩れた。現代の中国はどんなところなのだろう。現代の中国人はどんな生活を送っているのか。様々な疑問が浮かんできた。中国に対して更なる興味が湧いた私は、その友人から、大学近辺でどこの中華料理屋が中国の味なのかというような、身近で感じられる中国文化や、素材の味の日本と味付けを楽しむ中国という、日本と中国の違いなどを教わった。その友人は、日本での生活を満喫していて、浴衣で花火大会に行けたことがとても楽しかったと話していた。

私は今、大学の第二外国語の授業で中国語を履修しているが、今まで約一年半中国語を学んでいても、未だに簡単な漢字しか読めず、もちろん中国語の歌を歌うこともできない。改めて、小学生の時に交流した子どもたちや留学生の、努力や日本への愛を感じた。

私は、私が触れ合った中国人のことが好きだ。自分との考え方・文化の違い、日本への憧れ。それらを育んできた中国という国はどのようなところなのだろう。三つ編みの女の子だらけの世界かと想像していたが、どうやら違うようだ。中国に実際に行き、自分の目で見て、感じて、新たな中国についての発見ができたらと思う。

 

人民中国インターネット版 2016年3月

 

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