今回の訪中は、これからの行動の起爆剤になる

 

 

今回は、めったにない貴重な体験のできた、とても思い出深い訪中となりました。私は、中国の首都・北京を訪れたことはなく、初めての体験でした。ちょうど私たちの訪中と被るようにしてPM2.5の赤色警報が出され、出国前はあまり行きたくない気持ちも多少なりともありました。本場のスモッグや現地の衛生状況などを生で体験して、逆に日本の良さに改めて気づく機会にもなりました。現地の大学生との交流を通しては、同じ目線でそれぞれの意見を率直に述べ合うことができ、面と向かっての交流の大切さをひしひしと感じました。また、普通は知り合うことのできないような、多くの重役の方々とも交流させていただくことができ、これから自分自身が日中関係を左右する人間になることの責任と、皆様から日中交流の架け橋として、期待していただいていることも強く感じました。この体験は、これからの自分の活動の大きな原動力となると思います。

そして、北京だけでなく、孔子の故郷・曲阜を訪れたことで、都会の雰囲気とは違う、文化的に価値が高く、それでいてどこかゆったりとした雰囲気も味わうことができました。歴史の中では、文化的に中国は日本の先を行っていることが多く、さまざまな時代で、中国を模倣したり、影響を強く受けていることが多いと思います。歴史問題で今なお大きな隔たりがある日中間ですが、文化的な強い繋がりを十分に活かせれば、これがお互いの関係の潤滑剤になるのではないかと思いました。

また、今回の訪中団で得られた仲間との繋がりは、私の人生にとって、とても大きな収穫だと思います。普段生活していては、ほぼ確実に繋がることのないような方々と知り合い、いろいろなことを話し、それぞれの中国観、日本観を知ることができました。今回のこの素敵な繋がりを絶やさずに、切磋琢磨し、それぞれのフィールドで活躍しつつ、日中交流の場のどこかで出会うことを楽しみにしたいと思います。

今回の訪中を通して得られた想いを忘れず、今度は自分の足で歩いて、見て、聞いて、もっともっと深く、中国を知りたいと強く感じました。日本と中国は、本当は長い付き合いなのに、多くの部分で表面的にしかお互いのことを理解していないと思います。私は、今回の訪中で、多くの若者と交流し、やはり一般の人々の力は関係改善に大きな力を発揮すると感じました。大学の講義で、日韓関係において、韓流ブームといった、民間の文化交流の促進によって、日韓関係の改善に至ったという資料を見たことがあります。日中関係も、日韓関係のように一般の人々の力を結集して、それで国全体を良い方向に動かすことができるのではないかと思います。例えば、日本のドラマやアニメ、漫画などは中国に広まり、人気になっていますが、日本で暮らしていて、中国のドラマやアニメや漫画などはあまり目にすることがないと思います。あえて探そうとしない限り、なかなか触れることが難しいものだと思いますが、こういったものを、少しずつでも発信できないか、ということを、訪中後の今、考えています。何か良い方法がないかと模索中です。

このように、今回の訪中は、私のこれからの行動の起爆剤になってくれるものとなっています。素晴らしい体験ができたこと、素晴らしい人々と素晴らしい関係を持てたこと、本当に嬉しく、感謝しています。貴重な体験をありがとうございました。


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