第12回北京-東京フォーラム開幕、元国務委員唐家セン氏が挨拶

 

 

――中日関係の発展には、共通認識を順守し、政治的基礎を守らなければなりません。中日間には歴史感情のもつれがあり、また現実の利益対立もあり、極めて複雑で敏感です。ですから、われわれは終始歴史的責任感と長い戦略的視野を持ち続け、両国と両国人民の根源的利益に立脚し、しっかりと両国の平和、協力、発展の正しい方向を把握することが必要です。中日関係は数十年の発展を経験し、双方はすでに四つの政治文書など重要な綱領的文書に合意しており、両国関係の発展に政治的「ルール」を確立しています。「ルールがなければ何事もうまくいかない」として「ルール」を作ったなら、われわれは「ルール」に照らして物事を行い、両国関係が終始「脱線」しないよう確保しなければなりません。

 

先ごろ習近平主席は、G20杭州サミット期間中に安倍晋三首相と二国間会談を行った際に、中日の四つの政治文書は両国関係を発展させる「バラスト」であり、2014年末に双方が合意した四つの原則的共通認識は両国関係改善の「安全弁」であると強調しました。双方は関連原則と共通認識を厳守し、古い問題をしっかり管理し、新しい問題の発生を防止し、両国関係の政治的基礎を揺るがせないことを確保しなければなりません。これらができれば、中日関係の引き続く改善には根本的保証が得られるのです。

 

――中日関係を発展させるには、正しく認知し、良い相互作用を形成しなければなりません。正しい認識は、正しい行動を導きます。近年、中国は大きな発展の業績を挙げ、国際社会で、どのように中国の発展を捉えるべきかという議論をも引き起こしています。中には、中国が強国になれば覇権を必ず唱えるという古い道を歩むのではないかと心配する人もいますが、これは完全に杞憂です。「新型大国関係」の構築を打ち出すのも、「親(親睦)・誠(誠意)・恵(互恵)・容(寛容)」の周辺外交理念も、いずれも平和的な発展を求め、善隣友好を固めようとするわれわれの一貫した目標を表しています。地球温暖化に対応するため排出削減の約束をするのも、国際平和維持に積極的に貢献するのも、いずれも国際システムに溶け込み、大国の責任を引き受けるというわれわれの固い決心を表しています。「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」の提唱も、AIIB(アジアインフラ投資銀行)の設立も、いずれも開放と包容を堅持し、発展のボーナスをシェアし、互恵・ウインウインをはかるというわれわれの協力の思考を表しています。ひと言で言えば、中国の発展がアジアと世界にもたらすのは決して脅威ではなく、プラス材料とチャンスであるということです。

 

日本は中国にとって最大の隣国の一つであり、両国は異なる発展段階にあって、相互補完の優位性は明らかで、協力の潜在力は非常に大きなものです。われわれは中日関係を重視しており、両国関係の発展の推進に尽力したいという考えは誠実なもので、この点は一切変化がありません。中国の発展が日本の生存や発展の空間を押しつぶすことはなく、すでに、そしてこれからも引き続き日本の発展にボーナスをもたらし、逆に日本側としてもこのようにあるべきです。日本がわれわれと向き合い、中国の発展を客観的に認識し、共同発展の決心と信念をしっかりと抱き、中日の4つ目の政治文書にある「互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」という態度を政策に反映させ、行動に移すことを希望しています。

 

 

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