中国の反腐敗活動、世界に「新思考」を提示

 

中国共産党の反腐敗活動を海外の視点で分析した英語番組が、ここ数日ブームとなっている。番組内で多くの国の政党トップが、中国共産党の「従厳治党(党内の綱紀粛正と引き締めの徹底)」によるポジティブな効果を高く評価。国際政治情勢が繁雑に変化するなか、与党はどのように自身のガバナンスを強化するのか?中国共産党による実践は、この世界的な命題の大きな参考となっている。

中国共産党第十八回全国代表大会(十八大)の開催後、中国共産党が反腐敗を強化し、党内の政治環境の向上を図ったことに対する世界の印象はだんだん深まっていった。最初は猟奇的な心理状態の政府高官の失脚から始まって、「中国の反腐敗活動が一過性のものではない」との称賛に至り、今では国際世論が一様に中国共産党の綱紀粛正と引き締めの徹底を現代の政治的な「現象」とみなし、各種の深い比較と反省を引き起こしている。

「ソフト・パワー」の概念を打ち出したジョセフ・ナイ氏は以前、「反腐敗活動が中国共産党のソフト・パワーを高める」との見方を示しており、それが次第に現実となりつつある。中国共産党第18回中央委員会第6次全体会議(六中全会)の後、それまで「ハウス・オブ・カード」を引き合いに中国を値踏みしていたウォッチャーも、自身の考え方を変え始め、「以治標為主、為治本赢得時間(応急処置で根本的改善の時間を勝ち取る)」、「人心是最大的政治(人心が最も大きい政治)」、「打鉄還需自身硬(鉄を打つにはそれ自体が固くなければならない)」などの言葉の裏にある深意を探っている。中国独特の政治哲学やガバナンス理念も、「従厳治党」の実践を通じた理論化と制度化に伴い、世界の主流な政治に関する記述のなかで頻繁に出現するようになった。

実際に与党は、自身をどのように管理するかの問題を避けて通れない。特に現在の国際情勢は多様に変化し、西側では英国の国民投票によるEU離脱決定、欧州大陸での右翼台頭、米大統領選挙での反体制派の逆襲などが起こった。こうした出来事は、各国で長期にわたり蓄積した各種問題の政治に対する影響が加速したことを示しており、主流な政治の力量を再構築することは国が壁を打ち破って前に進む前提となる。政治手法の転換は多くの国で必要な任務で、与党が自身のガバナンスを強化する大きなカギとなる。また、複数の実証研究によると、発展途上国において腐敗は貧富の格差など多様な社会問題の原因となり、国民経済の成長コストも大幅に引き上げる。世界銀行の統計をみても、腐敗は発展途上国で毎年200-400億米ドルの富の損失につながっている。

米国の学者、ハンチントン氏は著書『変革期社会の政治秩序』のなかで、「どのような文化であっても、腐敗は現代化の進行が最も激しい時に最も厳しくなる」と指摘した。発展途上国の多くが現代化に向かって努力するなか、与党が「バイタル・フュー」として自身のガバナンス強化を図ることは、国全体の大きな向上に欠かせない取り組みだ。

発展途上国には、各国の執政能力と質の高いガバナンスに対する共通のニーズがあり、中国の「従厳治党」の実践は世界的に非常に大きな意義を持つ。「中国共産党党員と中国人民は、より良い社会制度を模索するための中国プランを人類に提供できると信じている」。党内の綱紀粛正と引き締めの徹底が示した政治の知恵と力量は、中国共産党の成否や中国の盛衰につながるだけでなく、世界に新たな視点と考え方をもたらした。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月24日

 

 

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