中日友好 若者の視点から

 

戴俊男(東華大学)

 「友達と、スキーにいったよ。何回も転んだけど、なんか楽しくて気持ちいい。」とモーメンツにアップし、体育館の入り口で撮った写真を二枚付け加えました。

 「こんな楽しい一日、ぜひ友達と分かち合いたい」と思ったのです。すると、「楽しそう!スキーじゃなくてスケートですね。」と、コメントがありました。

 「え、スケート?ああ、スケートだ。なんでスキーと間違ったんだろう。恥ずかしいなあ」と、顔が赤くなってきましたが、相手の好意を無にしないように、「直してくれて、ありがとうございます。」とすぐに返事しました。

 間違っているところを直し合ったり、わからないところを教え合ったりすることなど、このような助け合いは『Hello Talk』という外国人と交流できるアプリでは、ありふれたことですから、何か日本語の勉強でつまずいた時、モーメンツにアップすると、どんな時でも助けてくれる人がいます。

 ある夜、ジョギングしている途中で、中国語の「夜跑」は日本語でどう言うか知りたくなりました。「夜ジョギング」のような中国語らしい日本語が明らかに正解ではないのはわかります。そこで、モーメンツで「中国語の『夜跑』は日本語にすると、夜ジョギング?違うよね?」と聞きました。すると、ある人から「夜逃げ」という返信をもらいました。この「夜逃げ」という言葉には、「夜の間にこっそり逃げ去る」という意味しかないようで、更に調べてみたところ、どうも「夜逃げ」に「夜跑」の意味はないと分かりましたが、私のことを思ってわざわざコメントしてくれた人の心の温かさには十分に触れることができました。

 また、このアプリでは、語彙の質問をしたりそれに答えたりするだけでなく、文語文についても話し合われることがあります。「子曰く、学びて時にこれを習う、亦悦ばしからずや。朋あり、遠方より来る、亦楽しからずや。人知らずして恨みず、亦君子ならずや」という『論語』の内容を見て、文藻のない私は「うわ、すごい」という言葉しか出てきませんでした。「石の上にも三年、これから努力しなきゃ」と、気合が入りました。

 周知のように、日本人は中国人より、他人に配慮する民族で、他人が困っているのを見て助けてあげたくなるのはごく当然なことなのでしょう。しかし、私は中国人も日本人ほどの至れり尽くせりの配慮には及びませんが、外国人にはフレンドリーだと思っています。特に若者世代です。なぜなら、科学技術の発展が両国の間の距離を縮めてくれたからです。アプリを通じて外国人と交流している者の大半が若者のようです。

 「我还在很热 哈哈」

 「『我还在很热』じゃなくて、『我依然很热』です。」

 『Hello Talk』で見た会話でした。このアプリでは、他人の間違った言葉づかいを修正することができるので、多くの中国ユーザーは日本人が書いた不自然な中国語を中国人らしく直します。おそらくこの機能は人の「任侠」への憧れを掻き立てるのでしょう。

 私が見た中には、一文に三十くらいのコメントがついていたこともあります。最も不思議だったことは、数十のコメントの中の八十パーセントの内容が大体同じような内容だったことです。「一文の中国語を直すだけなら、二、三人で大丈夫だよ、数十人が同じことを書く必要ある?」と思いましたが、最終的には「ほら、中国人はこれほど親切なんだよ」と結論づけました。

 『Hello Talk』を使い始めてから、大勢の人に助けてもらいました。私だけでなく、多くの若者が水を得た魚のように『Hello Talk』のようなSNSをつかって遠い距離の仲間と話し合い、自分の喜びや悲しみを分かち合いながら勉強しています。この学び合いの雰囲気は、お互いに好感を持っているからこそ作られてきたのだと思います。この好感と好意は中日友好の一つのヒントとなるはずです。

 若者である我々は、普段戦争におけるドキュメンタリーを見たり、日常の中日外交のニュースを聞いたりしていますが、中日友好に対する考えはやや子供っぽいかもしれません。「中日友好についてどう考えているか。」と聞かれたら、私は「中日友好?よくわからないけど、日本人の友達がいっぱいできたよ。みんな優しい人達だよ。」と答えます。中日友好に対する考えは浅くとも、社交的な我々は毎日インターネットで海の向こうの友人と冗談を言い合ったり、世間話をしたりして、和やかな雰囲気に浸っており、毎日中日友好を自分の肌で感じています。些細なことではありますが、小さな事柄からも大きな意義は見出せるのではないでしょうか。

 「最近想吃的中国菜太多呀!」

 「『太多呀』ではなくて、『太多了』ですよ。」と返事した私は、今まで通り日本人に助けられながら、日本人を助け続けたいです。

 

人民中国インターネット版 2016年12月

 
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