2017年:グリーン発展の新施策

 

中国人民大学公共政策研究院執行院長  毛寿龍

  今年の『政府活動報告』はグリーンな政府活動報告とも言える。なぜなら、18600字のうち、グリーン発展に関する文章が1200文字近くを占めているからだ。

  この政府活動報告は昨年の各級政府のグリーン発展に関する取り組みをまとめているだけではなく、環境保護の最低ラインを守る方法をよりいっそう提示している。今年に政府はクリーンエネルギーの発展の余地を拡大するために、石炭火力発電の生産能力5000万キロワット以上を廃棄、もしくは建設を中止・延期させ、石炭火力発電産業の効率を上げ、そして環境保護、エネルギー消費、質、安全などの面の関連法律法規基準を厳格に執行する。今年はまた生態文明体制改革を推進し、資源環境監視早期警戒システムをつくり、国家自然資源資産管理体制試験区の整備を展開し、国立公園体制の総体的な計画を打ち出し、資源が枯渇していたり生態が深刻に悪化していたりするような地域の経済成長のモデルチェンジを支援することをさらに進める。

  大気汚染対策の他に今年はまた、水質と土壌汚染対策を強化する。化学的酸素要求量(COD)とアンモニア態窒素排出量をそれぞれ2%減らし、重点流域や区域の水質汚染と農業汚染対策にしっかりと取り組み、土壌汚染の詳細な調査を展開し、対策措置を個別に定めて実施し、省エネ環境保護産業を成長させ、環境改善と経済発展のウインウインを実現させる。

  生態保護と建設の面では、今年に生態保護レッドラインを速やかに定め、厳守する。森林の質の向上、長江経済ベルトの重要な生態の修復、第二次山水林田湖生態保護プロジェクト試験区をスタートし、1200万ムー以上の耕地を森林に戻すことを完了させ、より多くの生態の財産を蓄積し、持続的成長が可能な緑あふれる中国を建設する。

  以上のことから今年におけるグリーン発展はもう発展理念に止まるのではなく、グリーン発展を実現するための措置を着実かつ系統的に講じる段階に進んだと見て取れる。昨年のグリーン発展は大きな効果を得て、スモッグの日数が以前より減少した。今年の中国はグリーン発展の面において、さらに大きな成果を収めることが予想できる。

人民中国インターネット版 2017年3月8日

 
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