政協委員の尹卓氏:朴槿惠氏の辞任は想定内のこと

韓国憲法裁判所は中国時間10日午前9時、朴槿恵(パククネ)大統領の弾劾審判請求事件の判決を下し、弾劾を有効とし、朴槿恵大統領を罷免する決定を言い渡した。

朴槿恵大統領の辞任は中韓関係、北東アジア情勢にどのような影響を与えるのだろうか。中国網(チャイナネット)の記者は全国政治協商会議の委員を務める尹卓氏に電話取材を行った。尹卓氏は、「朴槿恵大統領の辞任は想定内のこと」とし、以下のようにと述べた。

THAADの韓国配備は、朴槿恵大統領が民意に背き、北東アジアの平和と安定を維持するという要求にも背いたことを示す。また、韓国は中露と安全面において対峙状態になり、朝鮮とも準軍事対峙状態に入った。このような状態は韓国の民衆にとって不利益であり、北東アジアの安全情勢、ひいてはアジア・太平洋地域の安全情勢にも悪影響を及ぼし、彼女は当然その責任を負わなければならない。

弾劾裁判の前に行われた国民調査によると、朴槿恵大統領の弾劾支持率は約77%で、彼女はすでに民心を失っていた。中国は韓国の最大の貿易相手国であり、両国間の貿易黒字は約500億ドルであり、米韓と日韓の貿易総額を上回っている。朴槿恵大統領が流れに背き、THAADを韓国に導入したことにより、中国と安全面で対立状態になった。彼女はTHAADの韓国導入が中国とロシアの安全を脅かすことを知っていながら、安全な親米路線を選んだ。韓国はもともと、中米と「等距離外交」だったが、現在は「等距離外交」でなくなっただけでなく、完全に米国寄りになっている。これは中国とロシアに対する挑戦である。

THAADが韓国に配備されてから、米日韓の3国は「準軍事同盟」関係を構築した。このような関係により、朝鮮半島にだけ存在していた冷戦の残余がアジア・太平洋地域全体に拡大する可能性がある。このような冷戦の残余の拡大は、韓国と朴槿恵大統領の行いが直接関係している。その上、朴槿恵大統領は狭い視野でイデオロギー主導の外交政策を採り、韓国の国家利益を大きく損ない、アジア・太平洋地域全体の情勢に悪影響を及ぼした。朴槿恵大統領本人が世界に見せた「賢明な指導者」というイメージは完全に覆された。したがって、彼女の辞任は必然的な選択である。

朴槿恵大統領の弾劾決定後、韓国は60日以内に総選挙を行う。予想外のことが起きなければ、共に民主党の党首が大統領に当選するだろう。

共に民主党は、THAADを韓国から排除すべきという明確な態度を示している。また、同党は6カ国会議で朝鮮問題について話し合い、朝鮮が核を放棄し平和条約に転換し、朝鮮半島が永久的に平和になり安定することを主張している。この路線は支持され、朝鮮半島の長期的な治安維持と平和・安定にとっても良い影響を与える。この政治的主張が実現するかは米国と日本にかかっているが、朝鮮半島の現在の準戦争対峙状態と緊迫状態を軽減すれば、北東アジアの安全情勢にプラスになる。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年3月11日

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