BRICSの父「10年後の中国は世界最大のエコノミー」

 

中国、ブラジル、ロシア、インド、南アフリカの新興5ヶ国(BRICS)の首脳会議が9月初めに福建省厦門(アモイ)市で開催される予定で、BRICSの協力も第2の黄金期を迎えている。そこでBRICSの前身の「BRICs」という言葉を生み出したゴールドマン・サックスのジム・オニール元チーフエコノミストに話を聞いた。「北京日報」が伝えた。

 

▽中国経済の安定ぶりは驚異的

 

――この10年間、中国経済の発展の中で最も強い印象を受けたものは何か。

BRICsの概念を打ち出して以来、中国の経済規模は1兆ドル(1ドルは約108.8円)から12兆ドルに増え、12倍も増加した。中国の経済規模は実際のところ他のBRICS四ヶ国を合わせたよりも大きい。中国は多くの国際問題において、特に国際貿易分野で大きな影響力をもっている。たとえば中国は2016年末にドイツの1番目の貿易パートナーになり、世界の70ヶ国以上にとって最大の輸入国になった。また中国は世界最大の輸出国でもある。

中国経済の安定性にはいつも感心させられる。中国の政策決定者はいつも通貨政策と金融政策を適切に調整し、経済に過度の周期的振幅が起こらないにようすることに成功している。中国は多くの課題に直面し、経済発展に潜む潜在的脅威にも直面するが、常に迅速な処理を行い、人々に着実に深い印象を与えている。

中国の国内総生産(GDP)増加率の鈍化を懸念する人は多く、債務の急増が鈍化をもたらしたという人もいる。だが実際のところ、中国経済が鈍化した最大の理由は政策決定者がGDPの「数量」ではなく「質」の向上をより重視しているからだ。これは10年以後により明確に変化した点だ。

 

▽10年後は米国に迫り、米国を追い抜く

 

――これからの10年間、BRICS各国の経済発展はどうなると予想するか。

ブラジルとロシアと南アフリカは、商品価格への依存ぶりから、経済発展がやペースダウンする可能性がある。だが中国とインドの両国はBRICSの中で最も好調な動きをみせると予想される。

17年から27年にかけて、インドの成長率は大体6~8%になる見込みで、これはインドには膨大な人口という基盤があることから導き出した判断だ。インドが構造的な競争力と生産力の問題を改善できたなら、今後10年間の経済成長率は約10%に達する可能性もある。

注視されるのは、中国の経済成長率が今後10年間は5~6%を維持するとみられることだ。これはつまり、27年になると中国は米国に追いつき追い越して、世界一のエコノミーになるという目標の達成まであとわずかになるということだ。だが中国の政策決定者は経済成長の質の改善に向けてさらに努力するものと確信する。

 

人民網日本語版より2017年8月29日

 

 

 

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