「貧しい慈善家」の熱意が人々を動かした

項炳陽さんは、上饒市婺源県許村鎮朗湖村新家坦村の普通の村人だが、メディアや幅広い大衆から「中国で最も美しい農村の今雷鋒」「貧しい慈善家」などとたたえられている。苦しく疲れる労働をしながらも、彼は節約したお金を貧しい子供たちのために寄付しているのだ。

1993年、小学校4年までの学歴しかない項炳陽さんの出稼ぎ生活が始まった。親戚の紹介で上海の工事現場で日雇い労働をすることになったのだ。1カ月に200元しか稼げなかったが、給料を受け取るたび、生活費と両親への仕送りを除いて残った10元、20元といったお金を貧しい就学児童や障害者援助のために寄付したのだ。

収入が増えるにつれ、募金も増えていった。項炳陽さんは5人家族で、母親と妻は障害者、父親と息子は病気を患っており、彼の薄給のみが家計の支えで、家族みんなの生活はとても苦しいものだ。しかし、家計がいかに苦しくとも、彼の困っている人に愛の手を差し伸べる活動は、依然として惜しむことなく、また粘り強く続けてられている。倹約・質素な生活を送りながら、苦労して貯めたお金を惜しむことなく地震災害地区の人々のために寄付した。

彼は土で造った粗末な家に住みながら、長年倹約して貯めたお金を村の道路補修に供出した。朗湖村につながる8キロの簡易道路は、村委員会にお金の出どころがないため、道路は長い間補修が行われず、ますますでこぼこで通りづらくなっていた。項炳陽さんは自主的にこの道路の補修員を買って出て、毎日朝から暗くなるまで仕事をしているにもかかわらず、時間ができるとすぐにこの道路にやってきて草を刈り、穴ぼこを埋めてきた。砂利の購入と運搬費用だけで、すでに5000元近いお金を使っている。彼の影響で、今では各家々が積極的にお金を出し合って補修をするようになった。

項炳陽さんは2011年、江西省婺源県第1回十大道徳模範、江西省十大善行人物に選出された。

 

【プロフィール】

項炳陽

江西省婺源県工業パークガードマン。1964年12月生まれ、2010年8月入党、小学校卒業。

 

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