王化永:3年で巨大イネ栽培に成功

 

王化永さん(47)は湖南省邵陽市隆回県の農村で5人兄弟の4番目の子として生まれた農民だ。「子どものころ父親が肺性心を患っていて、兄弟たちがまだ小さいうちから家計がたいへん苦しかったです。食事はいつもソラマメの葉っぱ、サツマイモや漬物ばかりでした」と当時を振り返る王さんの辛酸に満ちた歳月は、全ての人々をお腹いっぱい食べさせたいという夢を彼に抱かせた。

高校を卒業し、出稼ぎ労働者を経てれんが工場を立ち上げた王さんは徐々に裕福になった。しかし経営が右肩上がりのときに商業を捨て農業に従事するという決断を下す。隆回県で当時行われていた1ムー(1ムーは約0・06㌶)当たりの生産量が900㌔に上るスーパーハイブリッド水稲の実験的栽培を引き受ける候補者選びが、王さんの子どものころからの夢をかなえるきっかけとなった。

2009年に王さんは156ムーの農地を引き受け、個人の土地でスーパーハイブリッド水稲の大量生産を実現する難問に挑む中国初の人間となった。「実はそのときはまだ何の知識もなく、何をすれば良いのかも分かりませんでしたが、ただ真剣にやっていれば必ず報われると思っていました」と王さん。当時は科学研究経費もなかったので、彼は二十数年間苦労して稼いだ210万元の貯蓄を実験農地につぎ込んだ。それからの月日で数え切れないほどの失敗をした王さんだったが、それでも実験をやめなかった。そして11年についに1ムー当たり926・6㌔の収穫を達成し、「3年で900㌔突破」という目標をかなえた。15年に王さんの実験農地は1ムー当たり1000㌔を達成し、世界記録を更新した。

難問を突破した王さんはしばらくの間、興奮冷めやらぬ様子だったが、彼はこれで満足しなかった。彼は研究の成果を農民の間に広め、全員で実際にイネを収穫することを次の目標にした。そこで王さんは良質な種子と科学的な栽培方法を県全体の36万ムーの農地に展開し、さらに農業教室を開いて農民に無償で穀物栽培技術を教授した。

19大の代表として、王さんはこれからの5年をスーパーハイブリッド水稲の実験を続けながら、農民を率いて高収穫量と高品質を望める良質なイネを植え、彼らの収穫を高価格で買い取り、農民の収入を増加させ、現地の雇用創出と貧困脱却に尽力するつもりだ。

 

人民中国インターネット版

 

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