梁慧麗:住宅街の頼れる相談役

  

 梁慧麗さん(61)は上海普陀区桃浦鎮蓮花マンションコミュニティーの住民委員会の主任だ。住民委員会幹部の多忙さは梁さんの仕事を間近で見ていないと想像できないだろう。
 住民委員会の出勤時刻は早朝8時半だが梁さんはだいたい7時過ぎに事務所に来て、室内をきれいに整頓しているときにはもう住民が仕事を持ってくる。ある高齢者は自分の不動産の登記済権利証を娘に持っていかれて家を抵当に入れられたと言い、ある女性は年老いた母親を老人ホームに入居させたいと言い、ある男性は仕事をしない息子がニートになってしまったから心配だ、と言う。人々は梁さんに悩みを打ち明けてどうしたらいいかと相談する。梁さんも親身になって、仲裁すべきものは仲裁し、対策を出した方がいいのであれば対策を出し、助けられることがあればできるだけ早く手を尽くす。
 「いくつかの家庭の事情は実際住民委員会の仕事ではないのですが、われわれを信頼してくれる住民を放っておくわけにもいきません。もし同様の事例が私たちの両親や兄弟姉妹に起きたらどうするべきかを考えるのです。私たちには小さなことでも住民にとっては重大なことなのです」
 住民の訪問がないときは自転車に乗ってコミュニティーを見て回り、壁に貼られているビラを見つけたら直ちに剥がし、ごみが落ちていれば手で拾って掃除する。住民と会ったらあいさつをして親しく語らい、独居老人の自宅を訪問する。歩けば15分もかからない道を梁さんはいつも1時間以上かけて回る。「意見を聞くにはただ座って住民たちが来るのを待っていても駄目です。会いに行って聞くのが一番です」と梁さんは語る。
 夜7時、忙しく働いた梁さんは時間通りに放送を行い、住民にガスの元栓を締めて鍵をかけ、防犯への注意を呼び掛ける。事務所から出られるのはいつも9時過ぎだ。朝7時過ぎに職場に着き、夜9時過ぎに退勤するというスケジュールを梁さんは蓮花マンションコミュニティー住民委員会の主任になってから20年間変えていない。そして家に帰っても基本的に携帯電話の電源を切らず、いつでも住民からの電話を受けられるようにしている。コミュニティーの出来事を大小にかかわらず何でも考えてフォローする梁さんは住民からこのコミュニティーの「総理」と呼ばれている。
 梁さんは「私の仕事は人々に奉仕することで、人民の世話役です。人々が呼べばすぐに現場に駆けつけます。問題を解決できるかどうかは能力が重要ですが、すぐに現場に行けるかどうかはその人の態度によります」と話す。この20年間で梁さんとコミュニティーの幹部は常に全力をもって人々の問題を解決し、行動をもって「困難があれば必ず助け、必要があれば必ず向かう」の約束事を果たしている。
まもなく北京へ行き19大に参加することに話が及ぶと、初めて代表に選ばれた梁さんは非常に興奮した様子でこう語った。「われわれ住民委員会の仕事はこまごまとしていますが非常に重要です。今になってもまだ私たちのコミュニティーの人々の声をどうやって党大会に届け、またどうやって党大会の精神をコミュニティーに持ち帰るべきかと考えています」
 
 
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