ロザマイマイティ・バク:ゴビ砂漠の石油掘削者

 

新疆油田重油開発公司の石油掘削6班の班長を務めるロザマイマイティ・バクさん(41)は、もとは辺ぴな農村出身のウイグル族青年だが、いまでは全国青年職場達人と中国石油技能専門家の称号を持っている。15歳でカラマイ技術労働者学校に入学し、18歳から油田で働き始めた彼の人生は石油と永遠の絆で結ばれているようだ。

バクさんは今でも当時をはっきりと覚えている。勤務初日に、先輩の後ろに付いて油井の状況を見回っていたところ、あるポンピングユニットから石油が漏れていることを発見した先輩からパイプレンチを取って来いと言いつけられたが、中国語が分からないバクさんはシャベルを持って来た。先輩に「パイプレンチだ!」と怒鳴られたら、今度はスパナを持って来た。その後、バクさんは人知れず涙をぬぐいながら、知識がなく、中国語が分からず、漢字も読めない自分を恨んだ。その時から、彼は中国語を必死に勉強する決意を固めた。そして1年足らずで、中国語をしゃべるばかりか、漢字の新聞や書籍も読めるようになった。

勤勉で勉強好きなバクさんは言葉の難関を克服すると同時に、同じぐらいの熱意とやる気をもって石油掘削技術を研究した。暇な時は技術関係の本を読み、休憩時間でも先輩に付いて油井で実践をした。1995年、作業区域で行われた技術比べでバクさんは優勝した。その後、彼は何度も新疆の油田、ひいては全国の石油掘削技術大会で優秀な成績を収め、クラマイ市青年技術達人や全国青年職場達人などの称号を相次いで授かり、新疆油田重油開発公司から技術専門家として{しょうへい}招聘され、中国石油集団から技能専門家として招聘された。自身の成長を実感すると同時にバクさんは次のように考えるようになった。「もらっているものが多ければ多いほど、より多く貢献すべきです。身に付けた知識をより多くの人に与え、同僚たちがゴビ砂漠に生きるギョリュウ(柳の一種)のように身を寄せ合いながら成長するようにしていきたいのです」

そこで、バクさんは周りの中堅技術者を率いてイノベーションチームを作った。生産上の難題をめぐって研究を行い、16の国家級特許を取得し、会社の利益に相当貢献した。一方で、彼は教育係を兼任し、延べ1万人以上の社員を育成し、100人以上の初級技術者を中級技術者にさせ、50人以上の中級技術者を高級技術者にさせた。

バクさんが管理している石油掘削6班の作業場に入ると、「ギョリュウのように身を寄せ合いながら成長しよう」という大きな字で書かれたスローガンが目に飛び込んできた。これはバクさんが大好きな言葉だ。現在、この班には少数民族出身者12人を含めた22人の社員がおり、148の油井を管理している。バクさんにとって、どんな民族の社員であっても、ギョリュウのように油田に根ざし、互いに尊重し互いに理解すれば身を寄せ合いながら成長でき、より良く石油掘削の任務を完成できるのだ。

少数民族出身の社員が中国語と技術を身に付けられるようにサポートするために、バクさんは勤務時間外に社内教育で使用する少数民族出身社員向けの専門的な中国語教材を編集した。より多くの同僚が石油掘削技術をマスターするように、2006年から彼は合わせて四、五万元を出し、全国の石油労働者が無料で利用できる「ギョリュウ石油ネット」というサイトをつくった。同サイトには現在、石油生産専門の文章が4000本以上、トレーニングや品質検査専門の資料が200本以上、成果や最新技術関係の文章が300本以上収録され、石油関係用語の説明が1万以上掲載されており、アクセス数は延べ40万回を超えた。このサイトはすでに中国の石油労働者が技術を学び、経験と資料を共有するプラットホームとなっている。

今年6月、バクさんは新疆出身の19大代表に選ばれた。彼はこの栄誉を励みとし、さらに責任と見なしている。「私の父親は学校の先生でした。私にとって、先生という呼称は愛と奉仕を意味しており、優しさと神聖さの象徴です。父親のように、人の夢をかなえるために自分の知識を生かしたいと考えています」

 

人民中国インターネット版

 

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