未来の中日関係に向けて

 

昔々、ある兄弟が共に住んでいました。最初、兄は博学で、大人しいから、多くの人に慕われました。それにひきかえ、弟はまだ幼いので、何も分からないくせに、自負心だけは強かったです。ある日、弟が偉そうに兄に対してこう言いました。「年齢的には、あんたはずっと年上なんですが、偉いのなんのと思ってないよ。あんたはもうそろそろだ!でも、僕の人生はこれからだね!」これを聞いて、兄は何も言わずに、ただ苦笑いしました。全然相手にされなかったから、弟は悔しくてたまらないようでした。しかし、時間が経つにつれて、弟も段々兄のいいところを分かるようになってきました。「兄貴、兄貴。」と呼んで、謙虚に兄から色々なことを教わってきました。そうしているうちに、弟もようやく一人前になりました。この先も幸せな生活を送っていたかと思いきや、二人は考えの食い違いで大喧嘩をして、殴り合う羽目に陥ってしまいました。後は仲直りしましたが、トラウマを残して、今でも引きずっています。

話はここで終わりますが、オチはありません。それなら、なぜこの話をするかというと、実は、長い間に、中日関係はこのストーリーの中の兄弟とほぼ同じようだと言えます。とても仲のいい時期もあったし、悪くなった時期もあります。そして、これから、どうなるか、誰も知りません。それに、未来の中日関係に向けて、私達はどんなことをやるべきかというのも全然手がかりがありません。

そうしたら、ここで、ちょっと振り返ってみましょう。以前の人は当時の「未来」の中日関係に向けて、どんなことをやりましたか?

少し前の歴史をさかのぼれば、小野妹子、鑑真、阿倍仲麻吕、栄西など中日の有名人の名前が続々と出てきます。

阿倍仲麻呂は在中留学生でありますが、唐で国家の試験に合格し、唐朝において諸官を歴任して高官にまで上って、晁衡という名前で中国の史書に記録されました。そして、鑑真と言えば、元々唐の僧で、日本の学問僧の要請に応じ、五回の渡航失敗と失明にも関わらず753年に来日して、中国の文化を広く宣伝しました。彼らが遣隋使や遣唐使や唐僧などの名で、色々な困難を乗り越えて、両国の友好関係に貢献しました。それに、今でも彼らの功績は文化財の形で多くの人に歌い上げられています。

私達の先祖は何千年前に両国の文化の架け橋を通しましたが、今、私達に残されたのはどうやって戦争でこのぼろになった橋を修復しながら、新しい元素も入れるかという使命です。雲をつかむような話みたいですが、実はそんなに難しいことではありません。

今の日本といったら、多くの人がすぐアニメを思い浮かべます。それに、中国を言えば、10人に8人がパンダという動物を代名詞に選びます。日本のアニメ文化と中国のパンダたちは、両国だけではなく、世界的にも高い人気があります。だから、これを突破口にして、中日の距離を縮めることを目指しています。

80年代、大ヒットした日本のアニメが中国に進出しており、沢山のファンを獲得しました。その後、社会環境が大きく変わったにも関わらず、日本文化に興味を持っている人はまだ沢山います。去年、大人気を収めた「君の名は」もその例の一つです。だから、これを踏まえて、日本のアニメを選択的に輸入し、中国風めいた日本のアニメを作ることを通して、もっと多くの文化交流の場も作り出します。そして、アニメの他に、日本の他の文化を中国の文化と連携して宣伝するのも一つの手段です。例えば、日本の着物と中国の漢服です。この二つには共通した点もありますが、それぞれの情緒もあります。知れば知るほど面白くなりそうです。

一方、中国の場合において、両国の理解を深めたかったら、色々な方法を講じられます。その一つは「パンダ外交」で、パンダの可愛さをより広く披露することです。なぜなら、実は、日本人はパンダと直接会う機会がなかなかないです。もし、彼らは私達の目を借りて、パンダのことを詳しく知れば、パンダ並びに中国のことへの好感も増えるかもしれません。そして、パンダにとどまらず、今、中国で流行っているものをどんどん日本の方々に紹介したりするのも悪くないと思います。シェアリングサイクリングやアリペイをはじめ、色々な便利な発明はその例です。これらをもって、彼らが中国への悪い印象を少しでも変えると、両国の関係も段々よくなれるでしょう。

総じて、私から見ると、未来の中日関係に向けて、まず過去を顧みなければいけません。そして、それを経験として、また適切な打開策を決めます。急がないで、徐々に進むのは両方にとっても納得が行くのではありませんか。

 

 広東外語外貿大学  黄俊捷
 
 
人民中国インターネット版  2018年12月
 
 
 

 
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