バルーントリップ2017 |
「得難い経験をしたな!」今回の旅の感想です。外文局での表彰式、劉徳有先生の講演、南京大虐殺記念館館長との対話、森ビル特別顧問の星野様との会食等どれをとっても普通の学生にはできない経験でした。また、私達受賞者が中国を満喫できるように、人民中国のスタッフ、交流会で一緒になった現地の学生等の方々は精いっぱい努力してくれました。以上の経験は私が中国と4年半付き合ってきた中で一度も経験したことのないものばかりであり、その意味で大変貴重な経験だったと言えます。 そのような破格の待遇に満足しつつも、私の心はどこか晴れません。私にとっての中国はある種の故郷のような存在です。中国に来ると私はいつも懐かしさに胸がいっぱいになります。今回はそのような感情をあまり感じませんでした。私達が接触した中国人が日本語に長けていたため、あまり中国語を使わなかったことも原因の一つでしょう。しかし、それ以上に、何か無理をしているかのように感じました。それは例えるなら、風船をパンパンに膨らまし、体積を大きく見せようとしているかのようでした。 あるフィールドワーカーは以下のように述べています。「自らがジグゾーパズルの一ピースのように埋め込まれている社会における権力構造に自覚的でないと、自らが見ている現実が、周囲の配慮により作られた『現実』であるということに気付くことなく、他の人たちにも同様に見えている現実であると見なして、それらを書き論じていくということになりかねない。」今回私達が体験したものは、周囲の配慮により作られた「現実」のように感じました。それは中国という「風船」に、配慮という「空気」で満ちたものでした。 私はこの四年半の月日を通して萎んだ「風船」を何度も見てきました。だから、パンパンの「風船」は一目でわかります。しかし、中国とあまり関係が密接でない人はどうでしょう?「空気」で満たされた「風船」を「現実」と捉えてしまった人は、萎んだ「風船」を見た際にどのように感じるのでしょうか。張りつめた風船が少しの刺激で破裂するように中国との関係が終わりを迎えてはしまうのではないでしょうか。 何度も中国と関ってきた私自身の経験から言えば、中国はありのままで面白いし、飽きません。だからこそ、私達受賞者と関係する全ての人に「肩の力を抜いてもいいよ。」と伝えたいです。 |
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